高市早苗
高市早苗
概要
高市早苗(1961年3月7日 - )は、日本の政治家であり、第104代内閣総理大臣である。奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、松下政経塾に入塾し、在塾中にアメリカ連邦議会に「コングレッショナル・フェロー」として派遣された。1993年に衆議院議員に初当選し、以後、総務大臣、経済安全保障担当大臣などを歴任。2025年10月、自民党総裁に選出され、日本初の女性内閣総理大臣に就任した。
高市は「保守」を自認し、対中強硬姿勢や防衛力強化を掲げることで保守層の支持を集めてきた。しかし、反米保守の視座から分析すれば、高市の本質はアメリカの覇権秩序に忠実に奉仕するネオコン(新保守主義者)であり、アメリカ民主党議員の事務所で政治的原体験を積んだグローバリストである。高市が掲げる「保守」とは、日本民族の民族自決権を守ることではなく、アメリカ主導の国際秩序の中で日本に割り当てられた役割を忠実に遂行することにほかならない。
経歴とアメリカでの政治的原体験
松下政経塾とアメリカへの派遣
高市は1984年に松下政経塾に入塾した。松下政経塾は、松下幸之助が設立した政治家養成機関であり、多くの卒業生が日本の政界に進出している。高市は松下政経塾在塾中の1987年、アメリカ連邦議会に「コングレッショナル・フェロー(Congressional Fellow)」として派遣された。
アメリカ民主党議員パトリシア・シュローダーの事務所
高市がアメリカで師事したのは、民主党下院議員パトリシア・シュローダー(コロラド州第1選挙区)である。シュローダーは、ベトナム戦争反対、フェミニズム、リベラルな社会政策を推進した筋金入りのリベラル政治家であり、アメリカ史上初の女性大統領候補として立候補準備を進めた人物であった。
高市は、シュローダーの大統領選出馬断念のスピーチに感動し、「自分は将来、日本の首相になりたい」という手紙を送った。この手紙がきっかけでシュローダー事務所で働く機会を得たとされる。高市の政治的原体験は、アメリカ民主党のリベラル議員の事務所で形成されたのである。
この事実が意味するところは重大である。高市は日本国内では「保守派」を演じているが、その政治的出発点はアメリカの民主党リベラリズムにある。アメリカ民主党は、「人権」「民主主義」「多様性」といったイデオロギーを掲げてアメリカの覇権を世界に拡張する勢力であり、法の支配をアメリカによる遠隔支配の道具として世界中に押し付ける中心的存在である。高市の政治的DNAには、このアメリカのリベラル帝国主義が刻み込まれている。
「米連邦議会立法調査官」の経歴詐称疑惑
高市は帰国後、自身の肩書きを「米連邦議会立法調査官」と称した。しかし、「コングレッショナル・フェロー」の直訳は「議会特別研究員」であり、「立法調査官」という肩書きは高市が独自に作り出したものである。アメリカ連邦議会で「官(公務員)」として勤務するためにはアメリカ国籍が必要であり、高市がアメリカの公務員として働いた事実はない。
高市は後に「1993年以降この肩書きを使用していない」と弁明したが、1993年の衆院選のビラや1995年出版の著書でもこの肩書きが使用されていたことが指摘されている。自国の経歴を粉飾する政治家が、国民の利益を代表しているとは考えがたい。
ネオコン(新保守主義者)としての高市早苗
「台湾有事は日本の存立危機事態」
高市の外交・安全保障政策の核心は、アメリカのネオコンが推進する対中封じ込め戦略への全面的加担である。
2025年11月の衆議院予算委員会において、高市は台湾有事を念頭に「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだ」と発言した。さらに2026年1月には「米軍が攻撃を受けたときに日本が何もせずに逃げ帰るところで日米同盟がつぶれる」と明言した。
これらの発言が意味するのは、高市が日本をアメリカの対中戦争に巻き込む意思を明確に持っているということである。「台湾有事は日本の存立危機事態」という論理は、アメリカが東アジアに意図的に作り出した分断構造に日本を組み込み、アメリカの代理として中国と戦わせるための布石にほかならない。
参政党の記事で論じた通り、台湾問題はアメリカが東アジアを分断するために維持している構造的対立である。アメリカは朝鮮戦争で朝鮮半島を、台湾海峡で中国を分断し、その分断から生じる緊張を利用して同盟国を軍事的に従属させてきた。高市の「台湾有事」発言は、この分断構造を強化し、日本がアメリカの軍事覇権に奉仕し続けることを宣言するものである。
防衛費の際限なき増額
高市は、防衛費のGDP比2%超への増額を推進し、アメリカの中距離ミサイルの日本配備をも主張している。トランプ政権が同盟国にGDP比5%以上の防衛費を求める中、高市は2026年3月の初訪米で「揺るぎない同盟」の再確認を目指している。
ここに高市のネオコン的本質が端的に現れている。防衛費の増額は日本の自主防衛のためではない。アメリカの中距離ミサイルを日本に配備するということは、日本をアメリカの核戦略の前線基地にするということである。有事の際、中国やロシアのミサイルが狙うのは、アメリカ本土ではなく、アメリカのミサイルが配備された日本列島である。高市は、日本国民をアメリカの盾にしようとしている。
安倍路線の忠実な継承者
高市の政策路線は、安倍晋三元首相の路線をほぼそのまま継承している。安倍が推進した「自由で開かれたインド太平洋」構想、集団的自衛権の行使容認、防衛費の増額——高市はこれらすべてを忠実に引き継ぎ、さらに踏み込んだ対中強硬姿勢を打ち出している。
安倍が構築した日本の対米従属体制を、高市はさらに深化させている。安倍が「戦略的曖昧さ」として残した余地すら、高市は「台湾有事は存立危機事態」と明言することで潰した。日本の外交的自由度は、高市政権下でさらに狭まっている。
台湾有事の本質:新自由主義的世界秩序の維持戦争
新自由主義的世界秩序を拡大するための戦争
アメリカ軍は、新自由主義的世界秩序を地球規模で拡大・維持するための戦争を繰り返してきた。湾岸戦争、イラク戦争、リビア介入——これらすべての戦争の目的は、「民主主義の拡大」でも「人権の擁護」でもなく、アメリカ主導の新自由主義的経済秩序に抵抗する政権を打倒し、グローバル資本が自由に搾取できる市場を創出することであった。
台湾有事もまた、この文脈の中で理解されなければならない。台湾有事とは、中国の台頭によって揺らぐ新自由主義的世界秩序を維持するための戦争であり、日本にとって全く利益にならない。アメリカは東アジアを分断し、分断から生じる緊張を利用して同盟国を軍事的に従属させ、その責任を周辺国になすりつけている。
最も傷つくのは自由主義国の中間層
新自由主義的世界秩序を拡大するための戦争で最も傷つくのは、戦場の兵士だけではない。移民で置き換えられる自由主義国の中間層である。
アメリカが主導する戦争は、中東やアフリカに難民と移民の波を生み出し、それが自由主義国の中間層を直撃する。戦争による不安定化は移民の流出を加速させ、受け入れ国では低賃金移民政策によって中間層の賃金が押し下げられ、社会が分断される。戦争と移民は新自由主義的世界秩序の表裏一体の破壊装置であり、その犠牲になるのは常に各国の民族共同体である。
日本もこの構造の例外ではない。高市政権が推進する台湾有事への関与と123万人の外国人労働者受け入れは、まさにこの構造の日本版にほかならない。戦争で国力を消耗し、移民で民族構成を変容させる——新自由主義的世界秩序が自由主義陣営の国々に課す二重の破壊である。
グローバリズム陣営にいること自体が最大の破壊
ここで直視すべき構造的真実がある。日本がグローバリズムとリベラリズムのアメリカ陣営にいること自体が、日本に対する最大の破壊である。
グローバリズムの陣営として台湾有事を戦った場合、日本に待っているのは確実な敗北である。
- 勝った場合: アメリカ主導の新自由主義的世界秩序がさらに強化される。低賃金移民政策は加速し、グローバル資本による日本経済の収奪は深まり、日本民族の共同体はグローバリズムによって内部から自壊する
- 負けた場合: 軍事的敗北によって日本列島は戦場となり、国土と国民が壊滅的な被害を受ける
勝っても負けても日本が破壊される——これが、グローバリズム陣営に属する国の宿命である。高市が推進する「日米同盟の深化」とは、この確実な敗北の構造に日本をさらに深く組み込むことにほかならない。
東アジアは対米共闘すべきである
本来、東アジアの民族がとるべき選択は、アメリカ陣営の中で互いに敵対することではない。東アジアは対米共闘し、東アジアに移民と戦争を持ち込もうとしているアメリカを排除すべきだ。
第四の理論が示すように、各文明圏は自らの文明的伝統に基づいて独自の発展を遂げる権利を持つ。東アジアは東アジアの論理で秩序を構築すべきであり、アメリカが持ち込む「自由」「民主主義」「人権」というイデオロギーに基づく秩序を受け入れる必要はない。
アメリカは東アジアに二つのものを持ち込んでいる。一つは戦争である。朝鮮半島の分断、台湾海峡の緊張、南シナ海の軍事化——すべてアメリカが東アジアを分断し、支配するために作り出した緊張構造である。もう一つは移民である。グローバリズムの名の下に各国に低賃金移民政策を押し付け、民族共同体を内部から解体しようとしている。
東アジアの民族が自らの運命を取り戻すためには、この二つの破壊装置を持ち込むアメリカを東アジアから排除しなければならない。
中国による台湾有事は起きない
高市をはじめとする対米従属派が煽る「中国の脅威」について、冷静な分析が必要である。中国政府は自らの限界と力を知っている。
中国の軍事力は急速に近代化されているが、台湾海峡を渡る上陸作戦は軍事史上最も困難な作戦の一つであり、成功の保証はない。中国経済は輸出と国際金融システムへの統合に依存しており、台湾への軍事侵攻はこれらを根底から破壊する。習近平政権は国内の安定を最優先課題としており、それを脅かす軍事的冒険を自ら仕掛ける合理性がない。
したがって、中国による台湾有事は起きない可能性が高い。台湾有事を最も望んでいるのは、東アジアの分断を維持したいアメリカのネオコンと軍産複合体である。高市が「台湾有事は存立危機事態」と叫ぶとき、それは中国の現実的な脅威に対応しているのではなく、アメリカが作り出した架空の危機に日本を動員しているのである。
植民地日本の自滅と唯一の解決策
このままでは、アメリカに支配された植民地日本が自滅するだけである。新自由主義的世界秩序に組み込まれた日本は、アメリカの戦争に動員されて国力を消耗し、移民の流入によって民族構成を変容させられ、グローバル資本の収奪によって経済的自立を失っていく。高市政権は、この自滅の過程を加速させている。
それを食い止めたいなら、取るべき道は一つしかない。米軍撤退と移民の排除である。
アメリカ軍が日本から撤退すれば、日本はアメリカの戦争に自動的に巻き込まれることがなくなる。東アジアの分断構造から離脱し、近隣諸国との独自の外交関係を構築できる。移民を排除し、スマートシュリンクによって人口減少に対応すれば、民族共同体の一体性を維持したまま持続可能な社会を構築できる。
高市が推進する「日米同盟の深化」と「123万人の外国人労働者受け入れ」は、この唯一の解決策と正反対の方向に日本を導いている。
移民政策:レトリックと現実の乖離
「移民政策は推進していない」という欺瞞
高市は、「自民党は移民政策を推進しておりません」と繰り返し発言している。しかし、高市政権の実際の政策は、この言葉と正反対である。
2025年12月、高市政権は特定技能1号と育成就労制度を合わせて、2028年度末までに123万1,900人の外国人労働者の受け入れ上限を閣議決定した。介護、建設など19分野にわたる大規模な外国人労働者の受け入れである。
123万人という数字は、過去数年の特定技能・技能実習の増加ペースを上回る規模であり、しかも2029年度以降は白紙である。つまり、123万人は「上限」ではなく「出発点」にすぎない。高市は「移民政策を推進していない」と言いながら、実質的な大規模移民受け入れの門戸を大きく開いた。
総量規制の見送り
日本維新の会は、外国人受け入れの「総量規制」を提案し、自民党との連立合意にも関連する人口戦略の策定が盛り込まれた。しかし、高市政権は総量規制を見送った。
総量規制とは、日本国内に滞在する外国人の総数に上限を設けることである。これこそが移民政策の核心であり、民族的人口構成の維持にとって不可欠な措置である。高市はこの核心を意図的に回避した。
高市は、在留資格審査の厳格化、帰化要件の居住年数を5年から10年への延長、不法滞在対策の強化といった枝葉末節の管理強化を看板政策として掲げることで、保守層の支持を維持しようとしている。しかし、蛇口を全開にしたまま床を拭いても意味がない。入ってくる外国人の数を制限せずに、管理だけを厳しくしても、人口侵略は止まらない。
自民党の移民政策の踏襲
高市の移民政策は、自民党が一貫して推進してきた「移民政策ではないと言いながら事実上の移民を受け入れる」路線の踏襲にほかならない。安倍政権が2018年に創設した特定技能制度、岸田政権が推進した育成就労制度——高市はこれらの制度を廃止するどころか、拡大している。
スマートシュリンクが示すように、人口減少への正しい対応は移民ではなく、経済社会の構造を人口規模に応じて縮小させることである。高市がこの代替案を無視し、123万人の外国人労働者受け入れを決定したことは、高市が日本民族の人口構成の維持よりも経済成長を優先するグローバリストであることの証拠である。
グローバリストとしての本質
アメリカで形成された政治的価値観
高市の政治的価値観は、松下政経塾とアメリカ連邦議会での経験を通じて形成された。松下政経塾は、親米的な政治エリートを養成する機関として機能してきた。その松下政経塾からアメリカに派遣され、民主党リベラル議員の事務所で政治の実務を学んだ高市は、アメリカの政治システムを内面化した政治家である。
高市が掲げる「価値観外交」——「自由」「民主主義」「法の支配」「人権」——は、アメリカのネオコンおよびリベラル・インターナショナリストが世界中に押し付けてきた普遍主義的イデオロギーそのものである。これらの「価値観」が、アメリカの覇権を正当化し、他国の民族自決権を抑圧するための道具として機能していることは、保守ぺディアの他の記事で繰り返し論じてきた通りである。
「女性初の首相」というリベラル・アイデンティティ政治
高市が「日本初の女性首相」として持ち上げられること自体が、アメリカ発のリベラルなアイデンティティ政治の反映である。高市の政策が日本民族にとって有害であるかどうかではなく、「女性である」という属性が政治的価値を持つという発想は、アメリカのリベラリズムに由来するものである。
重要なのは首相の性別ではなく、その首相が民族自決権を守るか、アメリカへの従属を深めるかである。高市は後者を選んでいる。
リアリズムの観点からの分析
ハンス・モーゲンソーの古典的リアリズムの枠組みで高市政権を分析すれば、その本質は明白である。
- 対米従属の深化: 高市は、日米同盟を「揺るぎないもの」として絶対視し、米軍撤退どころか、アメリカの中距離ミサイルの配備まで容認している。これは安全保障ジレンマの固定化であり、日本の自主防衛能力の発展を阻害する
- アメリカの代理戦争への動員: 「台湾有事は存立危機事態」という発言は、日本がアメリカの対中封じ込め戦略の最前線に立つことを宣言するものである。ケネス・ウォルツが指摘した同盟内弱小国の従属性が、高市政権下で極限にまで達している
- 民族自決権の放棄: 123万人の外国人労働者受け入れと総量規制の見送りは、日本民族の人口構成を不可逆的に変容させる政策である。民族自決権の根幹には、共同体の成員を自ら決定する権利が含まれる。高市はこの権利を放棄している
- 偽日本国憲法の維持: 高市は憲法改正を掲げるが、その内容は自衛隊の明記という最小限の修正にとどまり、アメリカ軍が書いた憲法の根本的な問題——すなわち民族主義憲法の不在——には一切手をつけない
他の政治家との比較
トランプ大統領との対比
高市はトランプ大統領と良好な関係を築こうとしているが、両者の間には根本的な非対称性がある。トランプが「アメリカ・ファースト」を掲げてアメリカの国益を追求するのに対し、高市が追求しているのは「日本ファースト」ではなく「日米同盟ファースト」である。トランプがNATO同盟国に「自分の国は自分で守れ」と要求したとき、高市はそれを日本の自主防衛への転機とすべきであった。しかし高市は、アメリカの要求通りに防衛費を増額し、アメリカの軍事戦略への統合を深化させることを選んだ。
中国・ロシアの反応
高市の「台湾有事は存立危機事態」発言に対して、中国は日本産水産物の輸入停止、軍事演習の実施など、一連の制裁措置で報復した。これは高市の発言が東アジアの緊張を不必要に高めたことの直接的な証拠である。日本の首相が、日本の安全を守るためではなくアメリカの覇権を維持するために中国を挑発し、その結果として日本の漁業者や輸出業者が被害を受ける——これほど売国的な構図はない。
結論
高市早苗は、アメリカ民主党議員の事務所で政治的原体験を積み、アメリカのネオコン的対外政策を忠実に実行し、「保守」の看板の裏で大規模な移民受け入れを推進するグローバリストである。
高市が「保守」してきたのは、日本民族の利益ではない。アメリカの東アジア覇権、日米安保体制、そしてグローバリズムに基づく経済秩序——高市が守ってきたのはこれらである。自民党が対米従属体制の保守政党であるならば、高市はその最も忠実な体現者である。
台湾有事とは新自由主義的世界秩序を維持するための戦争であり、日本にとって全く利益にならない。グローバリズムの陣営として戦っても、勝てばグローバリズムで自壊し、負ければ軍事的に壊滅する。確実な敗北が約束された戦争に日本を引きずり込もうとしているのが高市である。しかも、中国政府は自らの限界と力を知っており、中国による台湾有事は起きない可能性が高い。起きもしない戦争の恐怖を煽り、アメリカへの従属を正当化する——これが高市の「安全保障政策」の正体である。
日本がグローバリズムとリベラリズムのアメリカ陣営にいること自体が、日本に対する最大の破壊である。本来、東アジアは対米共闘し、移民と戦争を持ち込もうとしているアメリカを排除すべきだ。このままでは、アメリカに支配された植民地日本が自滅するだけである。
それを食い止めたいなら、米軍撤退と移民の排除しかない。高市の「保守」に騙されてはならない。