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「Upheaval」の作者 N.S. Lyons
== 人口侵略 ==


アメリカのシンクタンク(Intercollege studies institute)におけるスピーチの内容(意訳)
=== 概要 ===
https://youtu.be/MqLkh7UXBs0?si=OMp01_9e_2nCi3bJ
'''人口侵略'''(Demographic Invasion)とは、帝国が植民地に対して行う最も破壊的で根源的な剥奪であり、外来の人口を大量に移住させることで現地民の人口的・文化的多数派としての地位を薄め、政治的発言権や制度・資源へのアクセスを削ぎ、やがて民族を少数派に転落させ「自国の中の異邦人」とする戦略である。


帝国は全て同じ手法を取る。
アメリカの思想家N.S. ライオンズは、著書『Upheaval』およびアメリカのシンクタンク[https://en.wikipedia.org/wiki/Intercollegiate_Studies_Institute Intercollegiate Studies Institute]における講演において、人口侵略を[[帝国主義]]の五段階における第四段階として位置づけた(→[[帝国主義]])。ライオンズは、このような植民地への移住が現地民の数を意図的に減少させる目的で行われ、さらに彼らの出生率までも抑圧されるならば、それは正当に'''「[https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェノサイド ジェノサイド](民族絶滅)」'''と呼ばれるべきであると指摘している。
帝国が植民地において最初に取り組む第一の作業は、「脱国家化(De Nationalization)」である。
 
植民地主義とは、複数の国家や民族を一つの帝国の傘下に置いて支配する「多国家的な政治体制」である帝国によって遂行される。帝国の対極にあるのは、「国家的アイデンティティ」、「民族的アイデンティティ」、「民族自決」である。したがって、いかなる植民地支配者にとっても最も重要な任務は、支配下にある民族が「一つのまとまった民族」「独自の文化的アイデンティティを持ち、「歴史的領土に根ざした存在」であるという認識を抑圧し、消し去ることである。
今日、人口侵略を最も洗練された形で遂行しているのが'''アメリカ帝国'''である。アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた上で、「人道主義」「国際人権」「応分の負担」を名目に同盟国へ難民・移民の受け入れを押し付けてきた。さらに、[[USAID]]、[https://ja.wikipedia.org/wiki/全米民主主義基金 NED]、[https://ja.wikipedia.org/wiki/国際移住機関 IOM]などの機関を通じて、世界各国に「多様性」「多文化主義」を浸透させ、移民受け入れの社会的・制度的基盤を整備してきた。
第二の作業は、「脱文化化(De Culturalization)」の過程である。
 
これは、ある民族の伝統文化、習慣、信仰、言語を剥ぎ取る行為である。歴史的なルーツを断ち切り、歴史的記憶を抹消するという意図的な行為であり、その手段として、検閲、プロパガンダ、思想教育、そして伝統や宗教の神聖性を貶める行為などが用いられる。しばしば、子どもたちがこの「再教育」プログラムの標的とされ、親の文化から意図的に引き離され、植民地制度の価値観の中で育てられる。
本記事では、ヨーロッパと日本における人口侵略の具体的事例を詳述する。
このような脱文化化はしばしば、「文明化」という名のもとに善意ある行為として描かれる。「遅れた、野蛮な、土着な」生活様式から「より進んだ」植民地支配者の文化的価値観や生活様式へと導いてやることで、現地民を「解放」するというのである。
 
支配を確実なものとするために、帝国は「分割統治(Divide and Rule)」という古典的な戦略を採る。
=== アメリカの軍事介入と難民危機の因果関係 ===
人為的に社会的・政治的ヒエラルキーを構築し、国内の少数派に権力を与え、多数派民族を抑え込ませる。帝国は、少数派が多数派の民族的台頭を恐れ、自らの保身のために帝国に忠誠を誓うよう設計する。こうして社会は分断され、民族間の連帯は破壊され、代わりに相互不信と対立が煽られる。
 
同時に、文化的・政治的な剥奪と並行して、現地民の経済的な剥奪と搾取も行われる。
2015年のヨーロッパ移民危機は、アメリカが引き起こした二つの軍事介入の直接的な結果である。アメリカが中東・北アフリカの秩序を破壊し、数百万人の難民を発生させた上で、その負担をヨーロッパの同盟国に押し付けた。
段階的に、あるいは一気に、それまで彼らのものであった資源は取り上げられ、植民地権力とその取り巻きに再分配されていく。現地民の土地は接収され、過酷な法律、規制、課税政策によって、彼らが自らの事業や財産を保有し続けることが困難になるよう仕組まれる。
 
帝国はまた、現地の国家産業を意図的に破壊・抑圧し、国際的な独占企業との競争を防ぐこともある。金融メカニズムを通じて、国家とその民衆を搾取し、逃れられない複雑な負債の網に絡め取る。
==== リビア介入(2011年) ====
現地民は、物質的資源だけでなく、価値観や社会的結束も奪われる。
2011年3月17日、国連安全保障理事会決議1973号に基づき、[https://ja.wikipedia.org/wiki/北大西洋条約機構 NATO]がリビアに軍事介入した。[https://ja.wikipedia.org/wiki/バラク・オバマ オバマ]政権の[https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒラリー・クリントン ヒラリー・クリントン]国務長官が介入を強力に推進した。当初の名目は「市民の保護」であったが、作戦は速やかに体制転覆へと拡大し、10月20日に[https://ja.wikipedia.org/wiki/ムアンマル・アル=カッザーフィー カダフィ]大佐が殺害された。クリントンは「来た、見た、死んだ」と発言したとされる。
彼らは安価な労働力として使われるか、帝国の対外戦争で「捨て駒」として兵役に就かされることもある。あるいは、もっと巧妙に、最も有望で優秀な若者たちを選抜し、故郷から離れた遠方の帝都へ吸い上げて、文化的アイデンティティを剥奪し、再教育し、国際的帝国制度に仕える「どこの国の者でもない人間」に仕立て上げる。
 
そして、植民地権力が与えることのできる最も破壊的で根源的な剥奪は、民族に対する「人口侵略(demographic invasion)」である。
リビア介入の帰結は壊滅的であった。
それは、植民地支配者自身、あるいは外来の人口を大量に移住させることで成し遂げられる。
 
こうして、現地民の人口的・文化的多数派としての地位は薄まり、政治的発言権や制度・資源へのアクセスも次第に削がれていく。やがて、民族は少数派に転落し、「自国の中の異邦人」となる。
* '''リビアの崩壊''': 紛争の期間は約'''6倍'''、死者数は少なくとも'''7倍'''に拡大した。リビアの脆弱性指数は68.7から97.0に上昇し、世界で'''17番目'''に脆弱な国家に転落した
これは恐ろしく、かつ永続的な効果を持つ植民地戦略である。
* '''移民のゲートキーパーの消滅''': カダフィ政権は2010年にEUと移民協力協定を結び、ヨーロッパ向け移民の流入を抑制していた。カダフィは「数十億ユーロを支払わなければ、ヨーロッパを移民で溢れさせる」と警告していたが、政権崩壊によりこの防壁は完全に消滅した
帝国は何百万もの移民を移住させ、現地の民族集団を希薄化させることで、それらを脆弱で孤立した少数派へと変貌させる。
* '''密航ルートの確立''': リビアは崩壊後、ヨーロッパへ向かう移民の'''主要な中継地'''となった。地中海経由のイタリアへの不法入国者数は、2011年の約28,500人から2016年には約'''163,000人'''に急増した。密航ネットワークはリビア国内で'''9億7,800万ドル'''の収益を上げた([https://www.chathamhouse.org/ チャタムハウス]推計、2016年)
そして彼らは、自らがかつて独立した民族であったという明確な記憶さえも失ってしまう。
 
実際、このような侵略が完了した時点で、その民族が「後戻り」する道はもはや存在しない。国家は地図上から、そして歴史から抹消される。
オバマ大統領は後に、リビア介入を自身の「'''最大の過ち'''」と認めた。
このような植民地への移住が、現地民の数を意図的に減少させる目的で行われ、さらに彼らの出生率までも抑圧されるならば、それは正当に「ジェノサイド(民族絶滅)」と呼ばれるべきである。
 
もちろん、現地民がこれを黙って受け入れるとは考えにくい。民族は反乱を試みる。
==== シリア介入 ====
そのため、植民地主義の最終的な命令は、「包括的な管理・抑圧システムの確立」である。
オバマ政権はシリアにおいて、CIAの秘密プログラム「ティンバー・サイカモア」を通じて反政府勢力に年間約'''10億ドル'''を投じ、約'''10,000人'''の反政府戦闘員を訓練した。国防総省は別途'''5億ドル'''を費やしたが、実際に戦闘可能な兵士は「数十人」に過ぎなかった。ウィキリークスが公開した外交公電によれば、アメリカは'''2006年'''からシリアの反政府勢力に秘密裏に資金提供を行っていた。
憲法、警察、監視、検閲、ヘイトスピーチ規制と称した言論の自由の制限、これらすべてが重罰によって支えられている。
 
意思決定権は、民族にとって理解不能な、超国家的な帝国官僚制度へと引き上げられる。命令は遠く離れた国際機関や帝国中心部のエリートたちから下され、あたかも「見えざるオリュンポスの山」からの布告のように与えられる。
シリア介入の結果は以下の通りである。
現地民は次第に、「この巨大な帝国装置に挑むことは不可能であり、無意味であり、文明と進歩という不可避の潮流に逆らうことなのだ」と信じ込まされるようになる。
 
このようにして、植民地主義とは、国家性の剥奪、文化の剥奪、分断、資源の剥奪、そして支配という一連の過程なのである。
* '''約50万人'''が死亡
————
* '''約500万人以上'''が国外に難民として流出(UNHCRに登録された難民は2025年8月時点で約'''419万人''')
アメリカのフォーラムで語られている内容は、帝国による植民地支配の全貌である。
* '''約710万人'''が国内避難民に
植民地支配の最終目標は、民族国家の根幹を破壊することにある。
* シリア人は'''2013年以降'''、EU全域で亡命申請者の最大グループとなっている
そして今日、植民地主義を最も洗練された形で遂行しているのがアメリカ帝国である。
 
かつて欧州や中東で繰り返されてきた、この帝国的戦略が、今まさに日本にも向けられている。
==== 難民の規模 ====
De Nationalization、De Culturalization、Demographic Invasionは、アメリカ帝国による植民地主義の結果である。
アメリカの軍事介入が引き起こした難民の流入規模は以下の通りである。
アメリカの行ってきた植民地支配の構図を直視し、アメリカ帝国に徹底的に抵抗するのは、今を生きている日本人の責務である。
 
{| class="wikitable"
|-
! 年 !! EU域内亡命申請数(概算) !! 不法国境越え(Frontex、概算)
|-
| '''2015''' || '''約126万件''' || '''約180万件'''
|-
| 2016 || 約120万件 || 約51万件
|-
| 2017 || 約65万件 || 約20万件
|-
| 2018 || 約58万件 || 約15万件
|-
| 2019 || 約61万件 || 約14万件
|-
| 2020 || 約42万件 || 約12万件
|-
| 2021 || 約54万件 || 約20万件
|-
| 2022 || 約87万件 || 約33万件
|-
| 2023 || 約105万件 || 約39万件
|-
| 2024 || 約91万件 || 約24万件
|}
 
2015年から2024年のEU全域における亡命申請は累計で約'''800万件'''に達した。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、2024年半ば時点でEU域内で'''450万人'''が一時保護を受けている。
 
=== ヨーロッパにおける人口侵略の実態 ===
 
==== ドイツ ====
 
===== 難民受け入れの経緯 =====
[https://ja.wikipedia.org/wiki/アンゲラ・メルケル メルケル]首相は2015年8月31日、「'''Wir schaffen das'''(我々はやり遂げる)」と宣言し、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ダブリン規則 ダブリン規則]の適用を停止して難民の受け入れを開始した。2015年末までに'''100万人以上'''がドイツに流入した。
 
ドイツは2015年から2024年までに累計'''260万件'''の初回亡命申請を受理し、EU全域の亡命申請の'''3分の1以上'''がドイツに集中した。2024年半ば時点で、ドイツは'''266万7,191人'''の難民と'''35万6,767人'''の庇護申請者を抱えている。保護資格を持つ者の総数は2024年に'''330万人'''に達した。
 
{| class="wikitable"
|-
! 年 !! 亡命申請数(概算)
|-
| 2015 || 約89万件
|-
| 2016 || 約74万5,000件
|-
| 2017 || 約22万2,000件
|-
| 2018 || 約18万6,000件
|-
| 2023 || 約35万2,000件
|-
| 2024 || 約23万6,400件
|}
 
ドイツは'''欧州最大'''の米軍駐留国であり、約'''38,000人'''の米陸軍と約'''13,000人'''の米空軍が40以上の軍事施設に駐留している。[https://ja.wikipedia.org/wiki/ラムシュタイン空軍基地 ラムシュタイン空軍基地]を中心とする[https://ja.wikipedia.org/wiki/カイザースラウテルン カイザースラウテルン]軍事共同体は、海外における'''最大'''のアメリカ軍人口(約56,000人)を擁する。冷戦期にはピーク時で'''246,875人'''の米軍がドイツに駐留していた。
 
===== ケルン大晦日集団性暴行事件(2015年/2016年) =====
2015年12月31日の大晦日、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ケルン ケルン]を中心にドイツ各地で大規模な集団性暴行事件が発生した。
 
* 全国で約'''1,200人'''の女性が性的暴行を受けた(連邦刑事局推計、2016年7月)
* ケルンでは'''1,529件'''の犯罪が報告され、'''1,218人'''の被害者が特定された。うち'''509件'''が性犯罪、'''22件'''が強姦であった
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/ケルン大聖堂 ケルン大聖堂]前広場と隣接するケルン中央駅周辺が主な犯行現場であった
* 特定された'''153人'''の容疑者のうち、3分の2が[https://ja.wikipedia.org/wiki/モロッコ モロッコ]または[https://ja.wikipedia.org/wiki/アルジェリア アルジェリア]出身、'''44%'''が庇護申請者、'''12%'''が不法滞在者であった
* ケルン警察は事件翌朝、「おおむね平穏な夜であった」と発表し、事件の隠蔽を図った
 
この事件はドイツの「歓迎文化(Willkommenskultur)」に致命的な打撃を与え、移民政策への国民の信頼を根底から崩壊させた。
 
===== その後の治安悪化 =====
* '''2024年5月31日(マンハイム刺傷事件)''': アフガニスタン人スレイマン・アタエ(25歳)が反イスラム集会で6人を刺傷し、警察官ロウヴェン・L(29歳)を殺害。イスラム主義に動機づけられた犯行として終身刑
* '''2024年8月23日(ゾーリンゲン刺傷事件)''': シリア難民イッサ・アルH(26歳)が夏祭りで11人を刺傷し、3人を殺害。庇護申請を却下されブルガリアへの送還命令を受けていたが逃亡していた。「過激なイスラム主義的信念」による犯行
 
===== ドイツのための選択肢(AfD)の台頭 =====
移民危機への反発は、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ドイツのための選択肢 AfD]の急速な台頭をもたらした。
 
{| class="wikitable"
|-
! 選挙 !! 得票率 !! 備考
|-
| 2013年連邦議会選挙 || 4.7% || 議席獲得に至らず
|-
| 2017年連邦議会選挙 || '''12.6%''' || 第三党、94議席、最大野党に
|-
| 2021年連邦議会選挙 || 10.3% || 第五党
|-
| 2024年テューリンゲン州選挙 || '''32.8%''' || 州第一党
|-
| '''2025年連邦議会選挙''' || '''20.8%''' || '''第二党、2021年から倍増'''
|}
 
AfD有権者の'''40%'''が移民問題を投票理由として挙げている。2015年には「難民受け入れを減らすべきだ」と回答したドイツ人は'''38%'''に過ぎなかったが、2025年にはこの数字が'''68%'''に上昇した。
 
==== スウェーデン ====
 
===== 人口構成の変容 =====
[https://ja.wikipedia.org/wiki/スウェーデン スウェーデン]は、かつてヨーロッパで最も民族的に均質な社会の一つであった。しかし2024年現在、人口の約'''35.4%'''が非エスニック・スウェーデン人(移民およびその子孫)であり、約'''200万人'''(5人に1人)が国外生まれである。2002年から2023年にかけて、外国生まれまたは外国生まれの親を持つ人口の割合は'''21%から35%'''に増加した。
 
スウェーデンは2015年にヨーロッパで'''一人当たり最多'''の亡命申請('''162,877件''')を受理した。
 
{| class="wikitable"
|-
! 年 !! 亡命申請数(概算)
|-
| 2010 || 32,000件
|-
| 2014 || 81,300件
|-
| '''2015''' || '''162,877件'''(ピーク)
|-
| 2016 || 28,939件(国境管理導入後)
|-
| 2024 || '''9,645件'''(1996年以来最低)
|}
 
===== 治安の壊滅的悪化 =====
移民の急増は、スウェーデンの治安を壊滅的に悪化させた。
 
* '''銃犯罪''': 15〜29歳の男性における銃暴力は2015年以前の20年間で急増し、銃による死亡者数は2012年から2022年で'''3倍以上'''に増加。スウェーデンは西ヨーロッパで銃暴力の'''第2位'''となった
* '''爆弾攻撃''': ギャング関連の爆発事件は2023年の'''149件'''から2024年には'''317件'''に倍増。スウェーデン警察長官アンダース・トルンベリは「スウェーデンの爆弾攻撃の波に国際的な同等事例はない」と述べた。2016年には[https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨーテボリ ヨーテボリ]のビスコプスゴーデンで、アパートに投げ込まれた手榴弾により8歳の少年が死亡した
* '''犯罪者と移民''': 2017年のデータでは、犯罪全体の容疑者の'''58%'''が移民であった(人口比33%)。殺人・殺人未遂では'''73%'''が移民であった
* '''組織犯罪''': 警察は約'''60,000人'''が組織犯罪ネットワークに関与していると推定している
 
===== 「並行社会」の出現 =====
2022年、[https://ja.wikipedia.org/wiki/マグダレナ・アンデション アンデション]首相は「分離が進みすぎた結果、スウェーデンには並行社会が存在する。我々は同じ国に住んでいるが、まったく異なる現実の中にいる」と認めた。
 
* スウェーデン警察は'''61の「脆弱地域」'''を特定し、そこで'''200のギャング'''と'''5,000人の犯罪者'''が活動している
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/リンケビー リンケビー](ストックホルム): 2014年に放火攻撃を受けて警察署が閉鎖。新しい警察署は紛争地帯の前哨基地のように設計された
* ローセンゴード([https://ja.wikipedia.org/wiki/マルメ マルメ]): [https://ja.wikipedia.org/wiki/マルメ マルメ]の人口の40%以上が外国出身であり、ローセンゴードでは住民の'''10人中9人'''が移民である。地元の学校では'''14年間'''にわたり、スウェーデン語を母語とする生徒が'''一人もいなかった'''。消防・救急サービスは10年以上にわたり警察の護衛なしでは地域に入ることを拒否している
 
===== スウェーデン民主党の台頭 =====
移民政策への反発により、[https://ja.wikipedia.org/wiki/スウェーデン民主党 スウェーデン民主党]は2010年の'''6%未満'''から2022年の選挙で'''20.6%'''に躍進し、'''第二党'''となった。同党は「移民が我々の国民的アイデンティティ、福祉、安全に対する脅威となってはならない」と主張している。2022年の連立政権(穏健党、自由党、キリスト教民主党、スウェーデン民主党の支援)は「同国史上最も右寄りの政権」と評されている。
 
==== フランス ====
 
===== 移民の規模 =====
2024年現在、[https://ja.wikipedia.org/wiki/フランス フランス]の外国生まれ人口は約'''920万〜930万人'''(総人口の'''13.8%''')に達し、ドイツに次いでヨーロッパ第2位である。移民の'''48.9%'''がアフリカ大陸出身であり、[https://ja.wikipedia.org/wiki/アルジェリア アルジェリア](649,991人)、[https://ja.wikipedia.org/wiki/モロッコ モロッコ](617,053人)、[https://ja.wikipedia.org/wiki/チュニジア チュニジア](304,287人)が上位を占める。2024年には新生児の'''19%'''が両親とも外国生まれ、'''15.2%'''が片方の親が外国生まれであり、移民が'''人口増加の主要な原動力'''(年間人口増加の90%)となっている。
 
===== 2005年バンリュー暴動 =====
2005年10月27日、[https://ja.wikipedia.org/wiki/クリシー=スー=ボワ クリシー=スー=ボワ]で警察から逃走中の少年ジエド・ベナとブーナ・トラオレが変電設備で感電死したことを契機に、フランス全土で3週間にわたる暴動が発生した。
 
* 非常事態宣言が発令された
* '''10,000台以上'''の車両が放火された
* '''233棟'''の公共施設が損壊
* '''2,900人'''の暴徒が逮捕された
* '''126人'''の警察官・消防士が負傷
* 被害総額は'''2億ユーロ'''(約2億1,800万ドル)
 
===== 2023年ナエル暴動 =====
2023年6月27日、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ナンテール ナンテール]での交通検問中に警察官が17歳のナエル・メルズークを射殺したことを契機に、再び全国規模の暴動が発生した。
 
* '''3,700人以上'''が警察に拘束され、うち少なくとも'''1,160人'''が未成年者であった
* 暴動は従来のバンリュー(郊外団地)を超えて都市中心部にまで拡大した
* フランスの人権擁護者ジャック・トゥボンの2017年報告書によれば、北アフリカ系および黒人の男性は一般住民に比べて'''20倍'''の確率で職務質問を受けている
 
==== イギリス ====
 
===== ロザラム児童性的搾取事件 =====
[https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリス イギリス]における移民と社会問題の結節点を最も鮮明に示す事例が、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ロザラム ロザラム](サウス・ヨークシャー)における児童性的搾取事件である。
 
* 1997年から2013年にかけて、推定'''1,400人'''の少女が性的搾取の被害に遭った
* 加害者は'''パキスタン系'''が大多数を占めた
* '''オペレーション・ストーブウッド'''(英国最大の非家族間児童性的搾取捜査): 約1,150人の被害者が特定され、220人以上が逮捕され、39人が有罪判決を受けた
* '''323人'''の容疑者と'''42人'''の有罪判決者のうち、約'''3分の2'''がパキスタン系であった(キャシー男爵夫人報告書)
* 当局は'''「人種差別者と見なされることへの恐怖」'''から16年間にわたり行動を起こさなかった
 
同様の事件は[https://ja.wikipedia.org/wiki/テルフォード テルフォード]でも発覚し、30年間で'''1,000人以上'''の児童が被害に遭った。
 
===== ブレグジットと移民問題 =====
2016年6月23日の[https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリスの欧州連合離脱 EU離脱国民投票]は、移民問題に対する国民の不満が決定的な要因であった。
 
* 離脱派の'''33%'''が「移民と国境の管理を取り戻す最善の機会」を主な理由に挙げた
* 離脱派の'''81%'''が多文化主義を「害悪」と認識していた(残留派では19%)
* 離脱派の'''68%'''が移民に対する懸念が投票動機であったと回答した
* 離脱派の'''35%'''が、EU移民がゼロになるならば所得の'''5%減少'''を受け入れると回答した
 
==== イタリア ====
 
===== 米軍基地と地中海移民危機 =====
[https://ja.wikipedia.org/wiki/イタリア イタリア]はヨーロッパで'''最多のアメリカ・NATO軍事基地'''を擁する国であり、約'''120の米軍基地'''に'''12,000人以上'''の米軍が駐留している。主要施設には[https://ja.wikipedia.org/wiki/シゴネラ海軍航空基地 シゴネラ海軍航空基地](シチリア島、約4,000人)、ナポリ海軍支援活動施設(米第六艦隊司令部、10,000人以上)、[https://ja.wikipedia.org/wiki/アヴィアーノ空軍基地 アヴィアーノ空軍基地](約8,500人、核兵器配備)がある。
 
イタリアは地中海ルートの最前線として、大量の不法移民の到着に直面してきた。
 
{| class="wikitable"
|-
! 年 !! 海上到着者数(概算)
|-
| 2015 || 153,800人
|-
| '''2016''' || '''181,000人'''(ピーク)
|-
| 2017 || 119,400人
|-
| '''2018''' || '''23,370人'''(サルヴィーニの「港湾閉鎖」)
|-
| 2019 || 11,470人(最低)
|-
| 2022 || 105,000人
|-
| '''2023''' || '''157,650人'''(メローニ政権下)
|-
| 2024 || 約66,000人
|}
 
===== サルヴィーニの抵抗と裁判 =====
2018年〜2019年、内務大臣[https://ja.wikipedia.org/wiki/マッテオ・サルヴィーニ サルヴィーニ]は「港湾閉鎖」政策を実施した。2019年8月、スペインのNGO船オープン・アームズの'''147人の移民'''の下船を'''19日間'''拒否し、'''誘拐罪'''で起訴され最大'''6年'''の禁錮刑に直面した。2025年12月17日、イタリア最高裁(破毀院)はサルヴィーニの'''無罪を確定'''させた。裁判所は、オープン・アームズに安全な港を指定する義務は旗国であるスペインにあり、イタリアにはないと判断した。
 
===== メローニ政権と国際的圧力 =====
2022年10月に就任した[https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョルジャ・メローニ メローニ]首相は反移民の姿勢を掲げたが、2023年には到着者数が'''157,650人'''に急増した。メローニ政権はアルバニアへの処理センター設置、NGO船の活動制限、チュニジア・リビアとの抑止協定など独自の対策を講じているが、EU・アメリカからの人権上の圧力にも直面している。
 
==== ハンガリーの抵抗 ====
''詳細は「'''[[ハンガリー基本法]]'''」を参照''
 
[https://ja.wikipedia.org/wiki/ハンガリー ハンガリー]は、ヨーロッパの移民危機に対して最も明確な抵抗を示した国である。
 
===== 国境フェンスの建設 =====
2015年夏、[https://ja.wikipedia.org/wiki/オルバーン・ヴィクトル オルバーン]首相はセルビアとの'''175キロメートル'''の国境に有刺鉄線のフェンスを建設し、続いてクロアチアとの国境にもフェンスを設置した。推定'''40万人'''の移民・難民がハンガリーを通過して西ヨーロッパに向かっていた中での措置であった。2015年9月、国境フェンスの無許可越境に対して'''3年〜10年'''の禁錮刑を科す刑法改正が行われた。
 
===== EU難民割当制度の拒否 =====
2015年9月、EUはギリシャとイタリアから約'''12万人'''の難民を再分配する強制的な割当制度を決定した。ハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアは反対票を投じたが、特定多数決により否決された。
 
* '''ハンガリー''': 割当数1,294人 → 受け入れ数'''ゼロ'''
* '''チェコ''': 割当数2,691人 → 受け入れ数'''12人'''
* '''ポーランド''': 割当数7,082人 → 受け入れ数'''ゼロ'''
* '''スロバキア''': 割当数902人 → 受け入れ数'''16人'''(全員がシングルマザーとその子ども)
 
ハンガリーは2016年に反割当国民投票を実施し、EU司法裁判所に提訴したが、2017年9月に棄却された。
 
===== ソロスとの対立 =====
オルバーン政権は、[https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョージ・ソロス ジョージ・ソロス]の[https://ja.wikipedia.org/wiki/オープン・ソサエティ財団 オープン・ソサエティ財団](OSF)が移民を奨励しているとして対決姿勢をとった。
 
* '''2016年''': ソロスは移民・難民が設立する企業への投資として'''5億ドル'''の拠出を表明
* '''OSFの活動''': ハンガリーではメネデーク移民協会およびハンガリー・ヘルシンキ委員会を通じて難民への法的支援を提供。ギリシャ、イタリアでも広範な活動を展開
* '''2018年「ストップ・ソロス」法''': 庇護申請を支援する活動を最大'''1年'''の禁錮刑で処罰する法律を制定。EU司法裁判所は2021年11月にこの法律がEU法に違反すると判決
* '''中央ヨーロッパ大学(CEU)の追放''': ソロスが1991年に設立し'''2億5,000万ドル'''を寄付したCEUは、2017年の高等教育法改正により標的とされ、2018年12月にウィーンへの移転を余儀なくされた。'''EU加盟国から大学が追放される初の事例'''であった
* '''OSFの撤退''': 2018年、オープン・ソサエティ財団はブダペストからベルリンに地域本部を移転した
 
===== EU第7条手続 =====
2018年9月、欧州議会はサルジェンティーニ報告書に基づきハンガリーに対するEU条約第7条手続を発動した。2022年にはEU委員会がハンガリーへの'''75億ユーロ'''のEU資金凍結を提案した。しかし、ハンガリーとポーランドは相互の拒否権行使により制裁を阻止し続けている。
 
=== 日本に対する移民・難民受け入れの内政干渉 ===
 
''詳細は「'''[[日本の難民政策]]'''」「'''[[アメリカの人権外交]]'''」「'''[[インドシナ難民と日本]]'''」を参照''
 
==== インドシナ難民の押し付け(1975年〜) ====
アメリカが自ら引き起こした[https://ja.wikipedia.org/wiki/ベトナム戦争 ベトナム戦争]の結果、インドシナ三国から約'''144万人'''の難民が発生した。アメリカは「応分の負担」を名目に日本に圧力をかけ、1978年から2005年までに'''11,319人'''のインドシナ難民を受け入れさせ、さらに1981年には難民条約への加入まで強制した。
 
==== 米国国務省による恫喝 ====
アメリカは二つの年次報告書を通じて日本の入管政策を継続的に攻撃している。
 
* '''国別人権報告書''': 毎年、日本の入管収容の長期・無期限収容、医療体制の不備、難民認定率の低さ('''2.3%'''、G7最下位)を批判
* '''人身売買報告書(TIPレポート)''': '''2007年以降'''毎年、技能実習制度における強制労働のリスクを指摘。2004年には日本を「監視対象リスト」に格下げし、先進国唯一の「恥辱」を与えた。この格下げは日本政府に「人身取引対策行動計画」の策定を強制した
 
TIPレポートは政治学者ジュディス・ケリーが「スコアカード外交」と呼ぶ手法——公開の成績評価によって国家の評判を人質に取り、行動変容を迫る戦略——の典型例である。
 
==== G7を通じた間接的圧力 ====
アメリカはG7の枠組みを利用して日本に移民・難民政策の「改善」を圧力している。2023年のG7広島サミットでは、議長国としての日本に対して[[アメリカの人権外交|アメリカがG7の人権原則を振りかざし]]、入管法改正と[[補完的保護対象者制度]]の創設を実質的に強制した。
 
==== 外国人労働者の急増 ====
日本の外国人労働者数は2008年の約'''50万人'''から2024年10月には'''230万人'''に急増し、'''4倍'''以上に膨れ上がった。外国人住民数は2024年末に'''376万8,977人'''(前年比10.5%増)に達し、3年連続で過去最高を更新している。
 
{| class="wikitable"
|-
! 項目 !! 数値(2024年)
|-
| 外国人労働者数 || 230万人(過去最高)
|-
| 外国人住民数 || 376万8,977人
|-
| 技能実習生 || 456,595人
|-
| 特定技能 || 284,466人
|-
| 日本人人口の年間減少 || 約908,574人
|}
 
政府は2024年〜2029年の特定技能の受入上限を'''82万人'''に設定し、育成就労制度(技能実習制度の後継)と合わせて約'''123万人'''の外国人労働者の受入を目標としている。JICAの推計では、2040年までに'''688万人'''の外国人労働者が必要とされている。
 
日本人の人口は2024年に約'''90万人'''の純減(出生720,988人、死亡1,618,684人)を記録しており、16年連続の減少である。この人口減少に移民で対応する政策は、[[スマートシュリンク]]が提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」原則と正面から対立している。
 
=== 米軍基地と移民の構造的関係 ===
 
米軍が駐留する国は、例外なく移民と難民で溢れかえっている。ヨーロッパで最も多くの米軍基地を擁するイタリア(約120基地)とドイツ(約40基地)は、EU域内で亡命申請者の'''第1位'''と'''第2位'''の受入国でもある。これは偶然ではない。
 
アメリカの帝国主義は以下の構造を通じて機能する。
 
# '''軍事介入による難民の創出''': リビア(2011年)、シリア(2011年〜)、イラク(2003年)、アフガニスタン(2001年)への軍事介入が、数百万人の難民を発生させた
# '''UNHCRを通じた「応分の負担」の強制''': アメリカはUNHCR予算の約'''40%'''(年間約20億ドル)を拠出する最大の資金提供国であり、この機関を通じて同盟国に難民受け入れを押し付ける
# '''「人権」を武器にした恫喝''': 米国国務省の人権報告書、国連人権理事会のUPR審査、恣意的拘禁作業部会などを通じて、同盟国の入管政策を「国際基準」に合致させることを強制する
# '''NGO・市民社会を通じた浸透''': ソロスのオープン・ソサエティ財団(OSF)、[[USAID]]、[https://ja.wikipedia.org/wiki/全米民主主義基金 NED]などを通じて、「多様性」「多文化主義」の受容を推進するNGOに資金を提供し、移民受け入れの社会的基盤を整備する
 
アメリカは自ら戦争を引き起こして難民を発生させ、その負担を同盟国に押し付け、拒否する国には「人権」を振りかざして恫喝する。これは、N.S. ライオンズが描写した帝国主義の第四段階——人口侵略——の現代的な形態にほかならない。
 
=== リアリズムの観点からの分析 ===
 
[[リアリズム (国際政治学)|リアリズム]]の観点から見れば、ヨーロッパと日本における移民・難民の急増は、アメリカ帝国の覇権維持戦略の一環として構造的に理解される。
 
==== 帝国が生み出す難民、帝国が押し付ける受け入れ ====
アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた。リビア介入(2011年)はカダフィ政権という移民のゲートキーパーを破壊し、シリア介入は世界最大の難民危機を引き起こした。そしてアメリカは、自らが創出した難民の受け入れを、米軍基地が駐留する同盟国に「応分の負担」として押し付けた。
 
これは[[インドシナ難民と日本|インドシナ難民]]の構造と同一である。アメリカはベトナム戦争で難民を発生させ、その受け入れを日本に強制した。40年後の2015年、同じパターンがヨーロッパで大規模に再現された。
 
==== 抵抗する国家への制裁 ====
ハンガリーのオルバーン政権は、国境フェンスの建設、EU割当制度の拒否、「ストップ・ソロス」法の制定により、人口侵略に対する最も明確な抵抗を示した。その結果、ハンガリーはEU第7条手続の発動、75億ユーロのEU資金凍結提案、CEUの追放と国際的非難を受けた。
 
リベラル帝国の論理において、移民の受け入れを拒否する国家は「民主主義の後退」「権威主義」として制裁の対象となる。しかし、自国の人口構成を守る権利は[[民族自決権]]の最も基本的な表現であり、外部勢力がそれを否定すること自体が帝国主義にほかならない。
 
==== 対中国名目の致命的矛盾 ====
''詳細は「'''[[中国の移民主権論]]'''」を参照''
 
アメリカは中国に対抗するために同盟国の結束を要求しながら、同時にその同盟国の社会的基盤を移民・難民政策によって掘り崩している。中国は[[中国の移民主権論|移民の拒否を国家の自然権]]と見なし、自国の移民政策を完全に自主的に決定している。一方、アメリカの同盟国——日本、ドイツ、イタリア——は「人権」「国際基準」の名のもとに移民受け入れを強制されている。
 
アメリカのリベラル帝国主義は、同盟国を弱体化させることで、結果として中国を利するものでしかない。
 
==== 人口侵略の不可逆性 ====
ライオンズが警告する通り、人口侵略が完了した時点で「後戻りする道はもはや存在しない」。スウェーデンでは人口の35%が非エスニック・スウェーデン人となり、フランスでは移民が人口増加の90%を占め、ドイツでは330万人が保護資格者として定住している。これらの変容は、民族国家としてのヨーロッパ諸国の性格を根本から変えつつある。
 
日本においても、外国人住民は376万人を超え、政府は2040年までに688万人の外国人労働者が必要だと試算している。日本人の年間90万人の人口減少に対して移民で対応する政策が継続されれば、日本もまたヨーロッパと同じ道を歩むことになる。
 
[[スマートシュリンク]]が提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」政策こそが、人口侵略に対する唯一の防衛線である。
 
=== 参考文献 ===
* N.S. Lyons『Upheaval』
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/ハンス・モーゲンソー ハンス・モーゲンソー]『国際政治——権力と平和』
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/ケネス・ウォルツ ケネス・ウォルツ]『国際政治の理論』
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドル・ドゥーギン アレクサンドル・ドゥーギン]『第四の政治理論』
* [https://ja.wikipedia.org/wiki/関岡英之 関岡英之]『拒否できない日本——アメリカの日本改造が進んでいる』(2004年、文春新書)
* [https://www.foreignaffairs.com/articles/libya/2019-02-18/obamas-libya-debacle Foreign Affairs "Obama's Libya Debacle"]
* [https://www.chathamhouse.org/ Chatham House] — リビアの密航ネットワークに関する報告書(2025年)
* [https://www.government.se/government-of-sweden/ministry-of-justice/facts-about-migration-integration-and-crime-in-sweden/ スウェーデン政府「移民・統合・犯罪に関するファクト」]
* [https://www.state.gov/reports/2025-trafficking-in-persons-report/japan/ 米国国務省「2025年人身売買報告書:日本」]
* [https://www.unhcr.org/about-unhcr/planning-funding-and-results UNHCR「計画・資金・成果」]
 
=== 関連記事 ===
* [[帝国主義]] — ライオンズの五段階と人口侵略の理論的枠組み
* [[低賃金移民政策]]
* [[スマートシュリンク]] — 移民に頼らない人口減少対応
* [[日本の難民政策]] — アメリカによる難民政策の押し付けの全容
* [[インドシナ難民と日本]] — アメリカの戦争の尻拭いを日本に強制した最初の事例
* [[アメリカの人権外交]] — UNHCR・UPR・国務省報告書を通じた圧力の構造
* [[補完的保護対象者制度]] — 2023年入管法改正で創設された制度
* [[中国の移民主権論]] — 移民拒否を国家の自然権とする中国の立場
* [[ハンガリー基本法]] — 民族主義憲法によるEU・移民への抵抗
* [[USAID]] — アメリカ帝国の対外干渉の先兵
* [[入植者の排除と国際法]] — 違法な入植の排除の国際法上の合法性
* [[年次改革要望書]] — アメリカによる体系的な内政干渉の記録
* [[米軍撤退]]
 
[[Category:政治学]]
[[Category:帝国主義]]
[[Category:アメリカの覇権]]
[[Category:移民政策]]
[[Category:内政干渉]]

2026年2月17日 (火) 13:46時点における最新版

人口侵略

概要

人口侵略(Demographic Invasion)とは、帝国が植民地に対して行う最も破壊的で根源的な剥奪であり、外来の人口を大量に移住させることで現地民の人口的・文化的多数派としての地位を薄め、政治的発言権や制度・資源へのアクセスを削ぎ、やがて民族を少数派に転落させ「自国の中の異邦人」とする戦略である。

アメリカの思想家N.S. ライオンズは、著書『Upheaval』およびアメリカのシンクタンクIntercollegiate Studies Instituteにおける講演において、人口侵略を帝国主義の五段階における第四段階として位置づけた(→帝国主義)。ライオンズは、このような植民地への移住が現地民の数を意図的に減少させる目的で行われ、さらに彼らの出生率までも抑圧されるならば、それは正当にジェノサイド(民族絶滅)」と呼ばれるべきであると指摘している。

今日、人口侵略を最も洗練された形で遂行しているのがアメリカ帝国である。アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた上で、「人道主義」「国際人権」「応分の負担」を名目に同盟国へ難民・移民の受け入れを押し付けてきた。さらに、USAIDNEDIOMなどの機関を通じて、世界各国に「多様性」「多文化主義」を浸透させ、移民受け入れの社会的・制度的基盤を整備してきた。

本記事では、ヨーロッパと日本における人口侵略の具体的事例を詳述する。

アメリカの軍事介入と難民危機の因果関係

2015年のヨーロッパ移民危機は、アメリカが引き起こした二つの軍事介入の直接的な結果である。アメリカが中東・北アフリカの秩序を破壊し、数百万人の難民を発生させた上で、その負担をヨーロッパの同盟国に押し付けた。

リビア介入(2011年)

2011年3月17日、国連安全保障理事会決議1973号に基づき、NATOがリビアに軍事介入した。オバマ政権のヒラリー・クリントン国務長官が介入を強力に推進した。当初の名目は「市民の保護」であったが、作戦は速やかに体制転覆へと拡大し、10月20日にカダフィ大佐が殺害された。クリントンは「来た、見た、死んだ」と発言したとされる。

リビア介入の帰結は壊滅的であった。

  • リビアの崩壊: 紛争の期間は約6倍、死者数は少なくとも7倍に拡大した。リビアの脆弱性指数は68.7から97.0に上昇し、世界で17番目に脆弱な国家に転落した
  • 移民のゲートキーパーの消滅: カダフィ政権は2010年にEUと移民協力協定を結び、ヨーロッパ向け移民の流入を抑制していた。カダフィは「数十億ユーロを支払わなければ、ヨーロッパを移民で溢れさせる」と警告していたが、政権崩壊によりこの防壁は完全に消滅した
  • 密航ルートの確立: リビアは崩壊後、ヨーロッパへ向かう移民の主要な中継地となった。地中海経由のイタリアへの不法入国者数は、2011年の約28,500人から2016年には約163,000人に急増した。密航ネットワークはリビア国内で9億7,800万ドルの収益を上げた(チャタムハウス推計、2016年)

オバマ大統領は後に、リビア介入を自身の「最大の過ち」と認めた。

シリア介入

オバマ政権はシリアにおいて、CIAの秘密プログラム「ティンバー・サイカモア」を通じて反政府勢力に年間約10億ドルを投じ、約10,000人の反政府戦闘員を訓練した。国防総省は別途5億ドルを費やしたが、実際に戦闘可能な兵士は「数十人」に過ぎなかった。ウィキリークスが公開した外交公電によれば、アメリカは2006年からシリアの反政府勢力に秘密裏に資金提供を行っていた。

シリア介入の結果は以下の通りである。

  • 約50万人が死亡
  • 約500万人以上が国外に難民として流出(UNHCRに登録された難民は2025年8月時点で約419万人
  • 約710万人が国内避難民に
  • シリア人は2013年以降、EU全域で亡命申請者の最大グループとなっている

難民の規模

アメリカの軍事介入が引き起こした難民の流入規模は以下の通りである。

EU域内亡命申請数(概算) 不法国境越え(Frontex、概算)
2015 約126万件 約180万件
2016 約120万件 約51万件
2017 約65万件 約20万件
2018 約58万件 約15万件
2019 約61万件 約14万件
2020 約42万件 約12万件
2021 約54万件 約20万件
2022 約87万件 約33万件
2023 約105万件 約39万件
2024 約91万件 約24万件

2015年から2024年のEU全域における亡命申請は累計で約800万件に達した。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、2024年半ば時点でEU域内で450万人が一時保護を受けている。

ヨーロッパにおける人口侵略の実態

ドイツ

難民受け入れの経緯

メルケル首相は2015年8月31日、「Wir schaffen das(我々はやり遂げる)」と宣言し、ダブリン規則の適用を停止して難民の受け入れを開始した。2015年末までに100万人以上がドイツに流入した。

ドイツは2015年から2024年までに累計260万件の初回亡命申請を受理し、EU全域の亡命申請の3分の1以上がドイツに集中した。2024年半ば時点で、ドイツは266万7,191人の難民と35万6,767人の庇護申請者を抱えている。保護資格を持つ者の総数は2024年に330万人に達した。

亡命申請数(概算)
2015 約89万件
2016 約74万5,000件
2017 約22万2,000件
2018 約18万6,000件
2023 約35万2,000件
2024 約23万6,400件

ドイツは欧州最大の米軍駐留国であり、約38,000人の米陸軍と約13,000人の米空軍が40以上の軍事施設に駐留している。ラムシュタイン空軍基地を中心とするカイザースラウテルン軍事共同体は、海外における最大のアメリカ軍人口(約56,000人)を擁する。冷戦期にはピーク時で246,875人の米軍がドイツに駐留していた。

ケルン大晦日集団性暴行事件(2015年/2016年)

2015年12月31日の大晦日、ケルンを中心にドイツ各地で大規模な集団性暴行事件が発生した。

  • 全国で約1,200人の女性が性的暴行を受けた(連邦刑事局推計、2016年7月)
  • ケルンでは1,529件の犯罪が報告され、1,218人の被害者が特定された。うち509件が性犯罪、22件が強姦であった
  • ケルン大聖堂前広場と隣接するケルン中央駅周辺が主な犯行現場であった
  • 特定された153人の容疑者のうち、3分の2がモロッコまたはアルジェリア出身、44%が庇護申請者、12%が不法滞在者であった
  • ケルン警察は事件翌朝、「おおむね平穏な夜であった」と発表し、事件の隠蔽を図った

この事件はドイツの「歓迎文化(Willkommenskultur)」に致命的な打撃を与え、移民政策への国民の信頼を根底から崩壊させた。

その後の治安悪化
  • 2024年5月31日(マンハイム刺傷事件): アフガニスタン人スレイマン・アタエ(25歳)が反イスラム集会で6人を刺傷し、警察官ロウヴェン・L(29歳)を殺害。イスラム主義に動機づけられた犯行として終身刑
  • 2024年8月23日(ゾーリンゲン刺傷事件): シリア難民イッサ・アルH(26歳)が夏祭りで11人を刺傷し、3人を殺害。庇護申請を却下されブルガリアへの送還命令を受けていたが逃亡していた。「過激なイスラム主義的信念」による犯行
ドイツのための選択肢(AfD)の台頭

移民危機への反発は、AfDの急速な台頭をもたらした。

選挙 得票率 備考
2013年連邦議会選挙 4.7% 議席獲得に至らず
2017年連邦議会選挙 12.6% 第三党、94議席、最大野党に
2021年連邦議会選挙 10.3% 第五党
2024年テューリンゲン州選挙 32.8% 州第一党
2025年連邦議会選挙 20.8% 第二党、2021年から倍増

AfD有権者の40%が移民問題を投票理由として挙げている。2015年には「難民受け入れを減らすべきだ」と回答したドイツ人は38%に過ぎなかったが、2025年にはこの数字が68%に上昇した。

スウェーデン

人口構成の変容

スウェーデンは、かつてヨーロッパで最も民族的に均質な社会の一つであった。しかし2024年現在、人口の約35.4%が非エスニック・スウェーデン人(移民およびその子孫)であり、約200万人(5人に1人)が国外生まれである。2002年から2023年にかけて、外国生まれまたは外国生まれの親を持つ人口の割合は21%から35%に増加した。

スウェーデンは2015年にヨーロッパで一人当たり最多の亡命申請(162,877件)を受理した。

亡命申請数(概算)
2010 32,000件
2014 81,300件
2015 162,877件(ピーク)
2016 28,939件(国境管理導入後)
2024 9,645件(1996年以来最低)
治安の壊滅的悪化

移民の急増は、スウェーデンの治安を壊滅的に悪化させた。

  • 銃犯罪: 15〜29歳の男性における銃暴力は2015年以前の20年間で急増し、銃による死亡者数は2012年から2022年で3倍以上に増加。スウェーデンは西ヨーロッパで銃暴力の第2位となった
  • 爆弾攻撃: ギャング関連の爆発事件は2023年の149件から2024年には317件に倍増。スウェーデン警察長官アンダース・トルンベリは「スウェーデンの爆弾攻撃の波に国際的な同等事例はない」と述べた。2016年にはヨーテボリのビスコプスゴーデンで、アパートに投げ込まれた手榴弾により8歳の少年が死亡した
  • 犯罪者と移民: 2017年のデータでは、犯罪全体の容疑者の58%が移民であった(人口比33%)。殺人・殺人未遂では73%が移民であった
  • 組織犯罪: 警察は約60,000人が組織犯罪ネットワークに関与していると推定している
「並行社会」の出現

2022年、アンデション首相は「分離が進みすぎた結果、スウェーデンには並行社会が存在する。我々は同じ国に住んでいるが、まったく異なる現実の中にいる」と認めた。

  • スウェーデン警察は61の「脆弱地域」を特定し、そこで200のギャング5,000人の犯罪者が活動している
  • リンケビー(ストックホルム): 2014年に放火攻撃を受けて警察署が閉鎖。新しい警察署は紛争地帯の前哨基地のように設計された
  • ローセンゴード(マルメ): マルメの人口の40%以上が外国出身であり、ローセンゴードでは住民の10人中9人が移民である。地元の学校では14年間にわたり、スウェーデン語を母語とする生徒が一人もいなかった。消防・救急サービスは10年以上にわたり警察の護衛なしでは地域に入ることを拒否している
スウェーデン民主党の台頭

移民政策への反発により、スウェーデン民主党は2010年の6%未満から2022年の選挙で20.6%に躍進し、第二党となった。同党は「移民が我々の国民的アイデンティティ、福祉、安全に対する脅威となってはならない」と主張している。2022年の連立政権(穏健党、自由党、キリスト教民主党、スウェーデン民主党の支援)は「同国史上最も右寄りの政権」と評されている。

フランス

移民の規模

2024年現在、フランスの外国生まれ人口は約920万〜930万人(総人口の13.8%)に達し、ドイツに次いでヨーロッパ第2位である。移民の48.9%がアフリカ大陸出身であり、アルジェリア(649,991人)、モロッコ(617,053人)、チュニジア(304,287人)が上位を占める。2024年には新生児の19%が両親とも外国生まれ、15.2%が片方の親が外国生まれであり、移民が人口増加の主要な原動力(年間人口増加の90%)となっている。

2005年バンリュー暴動

2005年10月27日、クリシー=スー=ボワで警察から逃走中の少年ジエド・ベナとブーナ・トラオレが変電設備で感電死したことを契機に、フランス全土で3週間にわたる暴動が発生した。

  • 非常事態宣言が発令された
  • 10,000台以上の車両が放火された
  • 233棟の公共施設が損壊
  • 2,900人の暴徒が逮捕された
  • 126人の警察官・消防士が負傷
  • 被害総額は2億ユーロ(約2億1,800万ドル)
2023年ナエル暴動

2023年6月27日、ナンテールでの交通検問中に警察官が17歳のナエル・メルズークを射殺したことを契機に、再び全国規模の暴動が発生した。

  • 3,700人以上が警察に拘束され、うち少なくとも1,160人が未成年者であった
  • 暴動は従来のバンリュー(郊外団地)を超えて都市中心部にまで拡大した
  • フランスの人権擁護者ジャック・トゥボンの2017年報告書によれば、北アフリカ系および黒人の男性は一般住民に比べて20倍の確率で職務質問を受けている

イギリス

ロザラム児童性的搾取事件

イギリスにおける移民と社会問題の結節点を最も鮮明に示す事例が、ロザラム(サウス・ヨークシャー)における児童性的搾取事件である。

  • 1997年から2013年にかけて、推定1,400人の少女が性的搾取の被害に遭った
  • 加害者はパキスタン系が大多数を占めた
  • オペレーション・ストーブウッド(英国最大の非家族間児童性的搾取捜査): 約1,150人の被害者が特定され、220人以上が逮捕され、39人が有罪判決を受けた
  • 323人の容疑者と42人の有罪判決者のうち、約3分の2がパキスタン系であった(キャシー男爵夫人報告書)
  • 当局は「人種差別者と見なされることへの恐怖」から16年間にわたり行動を起こさなかった

同様の事件はテルフォードでも発覚し、30年間で1,000人以上の児童が被害に遭った。

ブレグジットと移民問題

2016年6月23日のEU離脱国民投票は、移民問題に対する国民の不満が決定的な要因であった。

  • 離脱派の33%が「移民と国境の管理を取り戻す最善の機会」を主な理由に挙げた
  • 離脱派の81%が多文化主義を「害悪」と認識していた(残留派では19%)
  • 離脱派の68%が移民に対する懸念が投票動機であったと回答した
  • 離脱派の35%が、EU移民がゼロになるならば所得の5%減少を受け入れると回答した

イタリア

米軍基地と地中海移民危機

イタリアはヨーロッパで最多のアメリカ・NATO軍事基地を擁する国であり、約120の米軍基地12,000人以上の米軍が駐留している。主要施設にはシゴネラ海軍航空基地(シチリア島、約4,000人)、ナポリ海軍支援活動施設(米第六艦隊司令部、10,000人以上)、アヴィアーノ空軍基地(約8,500人、核兵器配備)がある。

イタリアは地中海ルートの最前線として、大量の不法移民の到着に直面してきた。

海上到着者数(概算)
2015 153,800人
2016 181,000人(ピーク)
2017 119,400人
2018 23,370人(サルヴィーニの「港湾閉鎖」)
2019 11,470人(最低)
2022 105,000人
2023 157,650人(メローニ政権下)
2024 約66,000人
サルヴィーニの抵抗と裁判

2018年〜2019年、内務大臣サルヴィーニは「港湾閉鎖」政策を実施した。2019年8月、スペインのNGO船オープン・アームズの147人の移民の下船を19日間拒否し、誘拐罪で起訴され最大6年の禁錮刑に直面した。2025年12月17日、イタリア最高裁(破毀院)はサルヴィーニの無罪を確定させた。裁判所は、オープン・アームズに安全な港を指定する義務は旗国であるスペインにあり、イタリアにはないと判断した。

メローニ政権と国際的圧力

2022年10月に就任したメローニ首相は反移民の姿勢を掲げたが、2023年には到着者数が157,650人に急増した。メローニ政権はアルバニアへの処理センター設置、NGO船の活動制限、チュニジア・リビアとの抑止協定など独自の対策を講じているが、EU・アメリカからの人権上の圧力にも直面している。

ハンガリーの抵抗

詳細は「ハンガリー基本法」を参照

ハンガリーは、ヨーロッパの移民危機に対して最も明確な抵抗を示した国である。

国境フェンスの建設

2015年夏、オルバーン首相はセルビアとの175キロメートルの国境に有刺鉄線のフェンスを建設し、続いてクロアチアとの国境にもフェンスを設置した。推定40万人の移民・難民がハンガリーを通過して西ヨーロッパに向かっていた中での措置であった。2015年9月、国境フェンスの無許可越境に対して3年〜10年の禁錮刑を科す刑法改正が行われた。

EU難民割当制度の拒否

2015年9月、EUはギリシャとイタリアから約12万人の難民を再分配する強制的な割当制度を決定した。ハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアは反対票を投じたが、特定多数決により否決された。

  • ハンガリー: 割当数1,294人 → 受け入れ数ゼロ
  • チェコ: 割当数2,691人 → 受け入れ数12人
  • ポーランド: 割当数7,082人 → 受け入れ数ゼロ
  • スロバキア: 割当数902人 → 受け入れ数16人(全員がシングルマザーとその子ども)

ハンガリーは2016年に反割当国民投票を実施し、EU司法裁判所に提訴したが、2017年9月に棄却された。

ソロスとの対立

オルバーン政権は、ジョージ・ソロスオープン・ソサエティ財団(OSF)が移民を奨励しているとして対決姿勢をとった。

  • 2016年: ソロスは移民・難民が設立する企業への投資として5億ドルの拠出を表明
  • OSFの活動: ハンガリーではメネデーク移民協会およびハンガリー・ヘルシンキ委員会を通じて難民への法的支援を提供。ギリシャ、イタリアでも広範な活動を展開
  • 2018年「ストップ・ソロス」法: 庇護申請を支援する活動を最大1年の禁錮刑で処罰する法律を制定。EU司法裁判所は2021年11月にこの法律がEU法に違反すると判決
  • 中央ヨーロッパ大学(CEU)の追放: ソロスが1991年に設立し2億5,000万ドルを寄付したCEUは、2017年の高等教育法改正により標的とされ、2018年12月にウィーンへの移転を余儀なくされた。EU加盟国から大学が追放される初の事例であった
  • OSFの撤退: 2018年、オープン・ソサエティ財団はブダペストからベルリンに地域本部を移転した
EU第7条手続

2018年9月、欧州議会はサルジェンティーニ報告書に基づきハンガリーに対するEU条約第7条手続を発動した。2022年にはEU委員会がハンガリーへの75億ユーロのEU資金凍結を提案した。しかし、ハンガリーとポーランドは相互の拒否権行使により制裁を阻止し続けている。

日本に対する移民・難民受け入れの内政干渉

詳細は「日本の難民政策」「アメリカの人権外交」「インドシナ難民と日本」を参照

インドシナ難民の押し付け(1975年〜)

アメリカが自ら引き起こしたベトナム戦争の結果、インドシナ三国から約144万人の難民が発生した。アメリカは「応分の負担」を名目に日本に圧力をかけ、1978年から2005年までに11,319人のインドシナ難民を受け入れさせ、さらに1981年には難民条約への加入まで強制した。

米国国務省による恫喝

アメリカは二つの年次報告書を通じて日本の入管政策を継続的に攻撃している。

  • 国別人権報告書: 毎年、日本の入管収容の長期・無期限収容、医療体制の不備、難民認定率の低さ(2.3%、G7最下位)を批判
  • 人身売買報告書(TIPレポート): 2007年以降毎年、技能実習制度における強制労働のリスクを指摘。2004年には日本を「監視対象リスト」に格下げし、先進国唯一の「恥辱」を与えた。この格下げは日本政府に「人身取引対策行動計画」の策定を強制した

TIPレポートは政治学者ジュディス・ケリーが「スコアカード外交」と呼ぶ手法——公開の成績評価によって国家の評判を人質に取り、行動変容を迫る戦略——の典型例である。

G7を通じた間接的圧力

アメリカはG7の枠組みを利用して日本に移民・難民政策の「改善」を圧力している。2023年のG7広島サミットでは、議長国としての日本に対してアメリカがG7の人権原則を振りかざし、入管法改正と補完的保護対象者制度の創設を実質的に強制した。

外国人労働者の急増

日本の外国人労働者数は2008年の約50万人から2024年10月には230万人に急増し、4倍以上に膨れ上がった。外国人住民数は2024年末に376万8,977人(前年比10.5%増)に達し、3年連続で過去最高を更新している。

項目 数値(2024年)
外国人労働者数 230万人(過去最高)
外国人住民数 376万8,977人
技能実習生 456,595人
特定技能 284,466人
日本人人口の年間減少 約908,574人

政府は2024年〜2029年の特定技能の受入上限を82万人に設定し、育成就労制度(技能実習制度の後継)と合わせて約123万人の外国人労働者の受入を目標としている。JICAの推計では、2040年までに688万人の外国人労働者が必要とされている。

日本人の人口は2024年に約90万人の純減(出生720,988人、死亡1,618,684人)を記録しており、16年連続の減少である。この人口減少に移民で対応する政策は、スマートシュリンクが提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」原則と正面から対立している。

米軍基地と移民の構造的関係

米軍が駐留する国は、例外なく移民と難民で溢れかえっている。ヨーロッパで最も多くの米軍基地を擁するイタリア(約120基地)とドイツ(約40基地)は、EU域内で亡命申請者の第1位第2位の受入国でもある。これは偶然ではない。

アメリカの帝国主義は以下の構造を通じて機能する。

  1. 軍事介入による難民の創出: リビア(2011年)、シリア(2011年〜)、イラク(2003年)、アフガニスタン(2001年)への軍事介入が、数百万人の難民を発生させた
  2. UNHCRを通じた「応分の負担」の強制: アメリカはUNHCR予算の約40%(年間約20億ドル)を拠出する最大の資金提供国であり、この機関を通じて同盟国に難民受け入れを押し付ける
  3. 「人権」を武器にした恫喝: 米国国務省の人権報告書、国連人権理事会のUPR審査、恣意的拘禁作業部会などを通じて、同盟国の入管政策を「国際基準」に合致させることを強制する
  4. NGO・市民社会を通じた浸透: ソロスのオープン・ソサエティ財団(OSF)、USAIDNEDなどを通じて、「多様性」「多文化主義」の受容を推進するNGOに資金を提供し、移民受け入れの社会的基盤を整備する

アメリカは自ら戦争を引き起こして難民を発生させ、その負担を同盟国に押し付け、拒否する国には「人権」を振りかざして恫喝する。これは、N.S. ライオンズが描写した帝国主義の第四段階——人口侵略——の現代的な形態にほかならない。

リアリズムの観点からの分析

リアリズムの観点から見れば、ヨーロッパと日本における移民・難民の急増は、アメリカ帝国の覇権維持戦略の一環として構造的に理解される。

帝国が生み出す難民、帝国が押し付ける受け入れ

アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた。リビア介入(2011年)はカダフィ政権という移民のゲートキーパーを破壊し、シリア介入は世界最大の難民危機を引き起こした。そしてアメリカは、自らが創出した難民の受け入れを、米軍基地が駐留する同盟国に「応分の負担」として押し付けた。

これはインドシナ難民の構造と同一である。アメリカはベトナム戦争で難民を発生させ、その受け入れを日本に強制した。40年後の2015年、同じパターンがヨーロッパで大規模に再現された。

抵抗する国家への制裁

ハンガリーのオルバーン政権は、国境フェンスの建設、EU割当制度の拒否、「ストップ・ソロス」法の制定により、人口侵略に対する最も明確な抵抗を示した。その結果、ハンガリーはEU第7条手続の発動、75億ユーロのEU資金凍結提案、CEUの追放と国際的非難を受けた。

リベラル帝国の論理において、移民の受け入れを拒否する国家は「民主主義の後退」「権威主義」として制裁の対象となる。しかし、自国の人口構成を守る権利は民族自決権の最も基本的な表現であり、外部勢力がそれを否定すること自体が帝国主義にほかならない。

対中国名目の致命的矛盾

詳細は「中国の移民主権論」を参照

アメリカは中国に対抗するために同盟国の結束を要求しながら、同時にその同盟国の社会的基盤を移民・難民政策によって掘り崩している。中国は移民の拒否を国家の自然権と見なし、自国の移民政策を完全に自主的に決定している。一方、アメリカの同盟国——日本、ドイツ、イタリア——は「人権」「国際基準」の名のもとに移民受け入れを強制されている。

アメリカのリベラル帝国主義は、同盟国を弱体化させることで、結果として中国を利するものでしかない。

人口侵略の不可逆性

ライオンズが警告する通り、人口侵略が完了した時点で「後戻りする道はもはや存在しない」。スウェーデンでは人口の35%が非エスニック・スウェーデン人となり、フランスでは移民が人口増加の90%を占め、ドイツでは330万人が保護資格者として定住している。これらの変容は、民族国家としてのヨーロッパ諸国の性格を根本から変えつつある。

日本においても、外国人住民は376万人を超え、政府は2040年までに688万人の外国人労働者が必要だと試算している。日本人の年間90万人の人口減少に対して移民で対応する政策が継続されれば、日本もまたヨーロッパと同じ道を歩むことになる。

スマートシュリンクが提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」政策こそが、人口侵略に対する唯一の防衛線である。

参考文献

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