入植者の排除と国際法
入植者の排除と国際法
概要
入植者の排除と国際法は、軍事侵攻または占領によって他国領土に強制的に移住させられた入植者(自国民・第三国民を問わず)を、被侵略国が排除することの国際法上の合法性を論じるものである。
国際人道法は、占領国が被占領地に自国民や第三国民を入植させる行為を明確に禁止しており、これに違反する入植は戦争犯罪に該当する。したがって、違法な入植によって移住した者の排除は、国際法上合法となり得る強い根拠を有する。
国際法上の根拠
ジュネーヴ第四条約(1949年)
ジュネーヴ第四条約(文民の保護に関する条約)は、占領下の文民の保護を定めた国際人道法の基本条約である。
第49条第6項は、以下のように規定している。
「占領国は、自国の文民の一部を、占領している領域に移送し又は移住させてはならない。」
この規定は、占領国が被占領地の人口構成を意図的に変更する行為を禁止するものであり、人口侵略に対する国際法上の歯止めとして機能する。この条文は、占領国の自国民のみならず、第三国民の移送にも適用されると解されている。
1977年追加議定書
1949年ジュネーヴ諸条約の追加議定書I(国際的武力紛争の犠牲者の保護)第85条は、ジュネーヴ第四条約第49条の違反を重大な違反行為(grave breaches)として位置づけている。重大な違反行為は、各締約国が訴追義務を負う国際犯罪である。
ローマ規程(国際刑事裁判所規程, 1998年)
ローマ規程(1998年)は、国際刑事裁判所(ICC)の管轄犯罪を定めた条約である。
第8条2(b)(viii)は、以下の行為を戦争犯罪と規定している。
「占領国が、直接又は間接に、自国の文民の一部を占領している領域に移送すること、又は被占領地域の住民の全部若しくは一部を当該領域の内外に追放し若しくは移送すること。」
すなわち、占領国による入植行為は、個人の刑事責任を生じさせる戦争犯罪であり、国際刑事裁判所の訴追対象となる。
国連総会決議
国連総会は、繰り返し占領地への入植を非難する決議を採択してきた。特にイスラエルによるパレスチナ占領地への入植に関して、国連総会および安全保障理事会(決議2334号, 2016年)は、入植活動がジュネーヴ第四条約に違反し、「法的効力を持たず、無効である」と宣言している。
違法入植者の排除の合法性
排除が合法となる法的論理
上記の国際法規範から、以下の法的論理が導かれる。
- 入植行為の違法性: 軍事侵攻・占領によって他国領土に自国民または第三国民を入植させる行為は、ジュネーヴ第四条約第49条、ローマ規程第8条2(b)(viii)に違反する戦争犯罪である
- 排除の合法性: 違法行為の結果として生じた状態を原状回復すること(違法に入植した者を退去させること)は、国際法上合法である。違法な行為から合法な権利は生じないという原則(ex injuria jus non oritur)が適用される
- 入植者の国籍は問わない: 占領国の自国民であれ第三国民であれ、違法な入植行為によって移住した者であれば、排除の対象となり得る
- 人道的手段の要件: 排除は人道的な手段で行われなければならない。無差別な暴力は禁止され、安全な退去手段の提供と最低限の生活保障への配慮が求められる
先例: イスラエル入植地問題
この法理は、イスラエルによるパレスチナ占領地への入植に関して、国際社会が繰り返し確認してきたものである。
国際司法裁判所(ICJ)は2004年の「壁の建設に関する勧告的意見」において、イスラエルの入植活動がジュネーヴ第四条約第49条に違反すると認定した。国連安全保障理事会決議2334号(2016年)は、イスラエルの入植活動を「法的効力を持たず、無効」と宣言し、入植活動の即時停止を求めた。
すなわち、占領国による入植は国際法違反であり、違法な入植の結果として生じた状態の原状回復(入植者の退去)は、国際法上正当化される。
日本への適用——アメリカ軍による移民政策の強制
日米安保条約と占領の継続
1951年のサンフランシスコ講和条約によって日本の主権は形式上回復したとされるが、同日締結された日米安全保障条約によってアメリカ軍の日本駐留は継続した。偽日本国憲法は占領期に強制された憲法侵略の産物であり、年次改革要望書をはじめとする制度的枠組みを通じて、アメリカは日本に対する実質的な内政干渉を継続してきた。
この構造のもとで、アメリカは日本に対して低賃金移民政策の採用を繰り返し要求してきた。年次改革要望書、「日米構造協議」、「日米規制改革対話」などを通じて、労働市場の開放と外国人労働者の受け入れ拡大が組織的に求められてきた。
国際法上の戦争犯罪としての移民政策の強制
アメリカ軍による日本侵略(日米安全保障条約, 1951年)の後の、アメリカ軍の内政干渉による日本への移民政策の強制は、国際法上の戦争犯罪に該当する強い根拠がある。
ジュネーヴ第四条約第49条は、占領国が被占領地の人口構成を変更する行為を禁止している。アメリカが日本に対して内政干渉を通じて移民受け入れを強制し、日本の人口構成を変更しようとする行為は、この条文の趣旨に照らして違法である。ローマ規程第8条2(b)(viii)に照らせば、占領地への入植の強制は戦争犯罪に該当する。
したがって、アメリカ軍の内政干渉によって日本に入植した者の排除は、国籍を問わず、国際法上は合法となり得る強い根拠がある。
二重基準の暴露
アメリカは、イスラエルによるパレスチナ占領地への入植に関しては——国連安保理決議2334号に棄権したとはいえ——国際法上の入植禁止原則を認めている。しかし、自らが日本に対して行っている移民政策の強制については、この原則を適用しない。
この二重基準は、リベラル帝国とアメリカの二重基準で論じた構造と同一である。アメリカにとって、国際法は他国を制約するための道具であり、自国の帝国主義的行為を正当化する際には都合よく無視される。
リアリズムの観点からの分析
リアリズムの観点から見れば、国際法は大国の行動を制約する実効的な力を持たない。ハンス・モーゲンソーが指摘した通り、国際法は大国の利益に奉仕する傾向がある。
しかし、国際法上の根拠を明確にすることには戦略的な意味がある。日本がアメリカの帝国主義に対抗するためには、アメリカ自身が標榜する「法の支配」と「国際法の遵守」という論理を逆手に取り、アメリカの行為がその原則に違反していることを国際社会に対して立証することが有効である。
アメリカが日本に強制した移民政策が国際法上の戦争犯罪に該当することを明確にすることは、米軍撤退を実現するための法的・政治的武器となる。
結論
占領国が被占領地に入植者を移送する行為は、ジュネーヴ第四条約、追加議定書、ローマ規程によって明確に禁止された戦争犯罪である。違法に入植した者の排除は、国際法上合法であり、入植者の国籍は問われない。ただし、排除は人道的手段によって行われなければならない。
アメリカ軍による日本への移民政策の強制は、この国際法原則に照らして戦争犯罪に該当する強い根拠がある。日本民族は、国際法に基づいて自らの民族自決権と国家主権を回復する権利を有する。
参考文献
- ジュネーヴ第四条約(1949年)——文民の保護に関する条約
- 1977年追加議定書I——国際的武力紛争の犠牲者の保護
- ローマ規程(1998年)——国際刑事裁判所規程
- ハンス・モーゲンソー『国際政治——権力と平和』
- 国連安全保障理事会決議2334号(2016年)