人口侵略

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人口侵略

概要

人口侵略(Demographic Invasion)とは、帝国が植民地に対して行う最も破壊的で根源的な剥奪であり、外来の人口を大量に移住させることで現地民の人口的・文化的多数派としての地位を薄め、政治的発言権や制度・資源へのアクセスを削ぎ、やがて民族を少数派に転落させ「自国の中の異邦人」とする戦略である。

アメリカの思想家N.S. ライオンズは、著書『Upheaval』およびアメリカのシンクタンクIntercollegiate Studies Instituteにおける講演において、人口侵略を帝国主義の五段階における第四段階として位置づけた(→帝国主義)。ライオンズは、このような植民地への移住が現地民の数を意図的に減少させる目的で行われ、さらに彼らの出生率までも抑圧されるならば、それは正当にジェノサイド(民族絶滅)」と呼ばれるべきであると指摘している。

今日、人口侵略を最も洗練された形で遂行しているのがアメリカ帝国である。アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた上で、「人道主義」「国際人権」「応分の負担」を名目に同盟国へ難民・移民の受け入れを押し付けてきた。さらに、USAIDNEDIOMなどの機関を通じて、世界各国に「多様性」「多文化主義」を浸透させ、移民受け入れの社会的・制度的基盤を整備してきた。

本記事では、ヨーロッパと日本における人口侵略の具体的事例を詳述する。

アメリカの軍事介入と難民危機の因果関係

2015年のヨーロッパ移民危機は、アメリカが引き起こした二つの軍事介入の直接的な結果である。アメリカが中東・北アフリカの秩序を破壊し、数百万人の難民を発生させた上で、その負担をヨーロッパの同盟国に押し付けた。

リビア介入(2011年)

2011年3月17日、国連安全保障理事会決議1973号に基づき、NATOがリビアに軍事介入した。オバマ政権のヒラリー・クリントン国務長官が介入を強力に推進した。当初の名目は「市民の保護」であったが、作戦は速やかに体制転覆へと拡大し、10月20日にカダフィ大佐が殺害された。クリントンは「来た、見た、死んだ」と発言したとされる。

リビア介入の帰結は壊滅的であった。

  • リビアの崩壊: 紛争の期間は約6倍、死者数は少なくとも7倍に拡大した。リビアの脆弱性指数は68.7から97.0に上昇し、世界で17番目に脆弱な国家に転落した
  • 移民のゲートキーパーの消滅: カダフィ政権は2010年にEUと移民協力協定を結び、ヨーロッパ向け移民の流入を抑制していた。カダフィは「数十億ユーロを支払わなければ、ヨーロッパを移民で溢れさせる」と警告していたが、政権崩壊によりこの防壁は完全に消滅した
  • 密航ルートの確立: リビアは崩壊後、ヨーロッパへ向かう移民の主要な中継地となった。地中海経由のイタリアへの不法入国者数は、2011年の約28,500人から2016年には約163,000人に急増した。密航ネットワークはリビア国内で9億7,800万ドルの収益を上げた(チャタムハウス推計、2016年)

オバマ大統領は後に、リビア介入を自身の「最大の過ち」と認めた。

シリア介入

オバマ政権はシリアにおいて、CIAの秘密プログラム「ティンバー・サイカモア」を通じて反政府勢力に年間約10億ドルを投じ、約10,000人の反政府戦闘員を訓練した。国防総省は別途5億ドルを費やしたが、実際に戦闘可能な兵士は「数十人」に過ぎなかった。ウィキリークスが公開した外交公電によれば、アメリカは2006年からシリアの反政府勢力に秘密裏に資金提供を行っていた。

シリア介入の結果は以下の通りである。

  • 約50万人が死亡
  • 約500万人以上が国外に難民として流出(UNHCRに登録された難民は2025年8月時点で約419万人
  • 約710万人が国内避難民に
  • シリア人は2013年以降、EU全域で亡命申請者の最大グループとなっている

難民の規模

アメリカの軍事介入が引き起こした難民の流入規模は以下の通りである。

EU域内亡命申請数(概算) 不法国境越え(Frontex、概算)
2015 約126万件 約180万件
2016 約120万件 約51万件
2017 約65万件 約20万件
2018 約58万件 約15万件
2019 約61万件 約14万件
2020 約42万件 約12万件
2021 約54万件 約20万件
2022 約87万件 約33万件
2023 約105万件 約39万件
2024 約91万件 約24万件

2015年から2024年のEU全域における亡命申請は累計で約800万件に達した。さらに、ロシアのウクライナ侵攻により、2024年半ば時点でEU域内で450万人が一時保護を受けている。

ヨーロッパにおける人口侵略の実態

ドイツ

難民受け入れの経緯

メルケル首相は2015年8月31日、「Wir schaffen das(我々はやり遂げる)」と宣言し、ダブリン規則の適用を停止して難民の受け入れを開始した。2015年末までに100万人以上がドイツに流入した。

ドイツは2015年から2024年までに累計260万件の初回亡命申請を受理し、EU全域の亡命申請の3分の1以上がドイツに集中した。2024年半ば時点で、ドイツは266万7,191人の難民と35万6,767人の庇護申請者を抱えている。保護資格を持つ者の総数は2024年に330万人に達した。

亡命申請数(概算)
2015 約89万件
2016 約74万5,000件
2017 約22万2,000件
2018 約18万6,000件
2023 約35万2,000件
2024 約23万6,400件

ドイツは欧州最大の米軍駐留国であり、約38,000人の米陸軍と約13,000人の米空軍が40以上の軍事施設に駐留している。ラムシュタイン空軍基地を中心とするカイザースラウテルン軍事共同体は、海外における最大のアメリカ軍人口(約56,000人)を擁する。冷戦期にはピーク時で246,875人の米軍がドイツに駐留していた。

ケルン大晦日集団性暴行事件(2015年/2016年)

2015年12月31日の大晦日、ケルンを中心にドイツ各地で大規模な集団性暴行事件が発生した。

  • 全国で約1,200人の女性が性的暴行を受けた(連邦刑事局推計、2016年7月)
  • ケルンでは1,529件の犯罪が報告され、1,218人の被害者が特定された。うち509件が性犯罪、22件が強姦であった
  • ケルン大聖堂前広場と隣接するケルン中央駅周辺が主な犯行現場であった
  • 特定された153人の容疑者のうち、3分の2がモロッコまたはアルジェリア出身、44%が庇護申請者、12%が不法滞在者であった
  • ケルン警察は事件翌朝、「おおむね平穏な夜であった」と発表し、事件の隠蔽を図った

この事件はドイツの「歓迎文化(Willkommenskultur)」に致命的な打撃を与え、移民政策への国民の信頼を根底から崩壊させた。

その後の治安悪化
  • 2024年5月31日(マンハイム刺傷事件): アフガニスタン人スレイマン・アタエ(25歳)が反イスラム集会で6人を刺傷し、警察官ロウヴェン・L(29歳)を殺害。イスラム主義に動機づけられた犯行として終身刑
  • 2024年8月23日(ゾーリンゲン刺傷事件): シリア難民イッサ・アルH(26歳)が夏祭りで11人を刺傷し、3人を殺害。庇護申請を却下されブルガリアへの送還命令を受けていたが逃亡していた。「過激なイスラム主義的信念」による犯行
ドイツのための選択肢(AfD)の台頭

移民危機への反発は、AfDの急速な台頭をもたらした。

選挙 得票率 備考
2013年連邦議会選挙 4.7% 議席獲得に至らず
2017年連邦議会選挙 12.6% 第三党、94議席、最大野党に
2021年連邦議会選挙 10.3% 第五党
2024年テューリンゲン州選挙 32.8% 州第一党
2025年連邦議会選挙 20.8% 第二党、2021年から倍増

AfD有権者の40%が移民問題を投票理由として挙げている。2015年には「難民受け入れを減らすべきだ」と回答したドイツ人は38%に過ぎなかったが、2025年にはこの数字が68%に上昇した。

スウェーデン

人口構成の変容

スウェーデンは、かつてヨーロッパで最も民族的に均質な社会の一つであった。しかし2024年現在、人口の約35.4%が非エスニック・スウェーデン人(移民およびその子孫)であり、約200万人(5人に1人)が国外生まれである。2002年から2023年にかけて、外国生まれまたは外国生まれの親を持つ人口の割合は21%から35%に増加した。

スウェーデンは2015年にヨーロッパで一人当たり最多の亡命申請(162,877件)を受理した。

亡命申請数(概算)
2010 32,000件
2014 81,300件
2015 162,877件(ピーク)
2016 28,939件(国境管理導入後)
2024 9,645件(1996年以来最低)
治安の壊滅的悪化

移民の急増は、スウェーデンの治安を壊滅的に悪化させた。

  • 銃犯罪: 15〜29歳の男性における銃暴力は2015年以前の20年間で急増し、銃による死亡者数は2012年から2022年で3倍以上に増加。スウェーデンは西ヨーロッパで銃暴力の第2位となった
  • 爆弾攻撃: ギャング関連の爆発事件は2023年の149件から2024年には317件に倍増。スウェーデン警察長官アンダース・トルンベリは「スウェーデンの爆弾攻撃の波に国際的な同等事例はない」と述べた。2016年にはヨーテボリのビスコプスゴーデンで、アパートに投げ込まれた手榴弾により8歳の少年が死亡した
  • 犯罪者と移民: 2017年のデータでは、犯罪全体の容疑者の58%が移民であった(人口比33%)。殺人・殺人未遂では73%が移民であった
  • 組織犯罪: 警察は約60,000人が組織犯罪ネットワークに関与していると推定している
「並行社会」の出現

2022年、アンデション首相は「分離が進みすぎた結果、スウェーデンには並行社会が存在する。我々は同じ国に住んでいるが、まったく異なる現実の中にいる」と認めた。

  • スウェーデン警察は61の「脆弱地域」を特定し、そこで200のギャング5,000人の犯罪者が活動している
  • リンケビー(ストックホルム): 2014年に放火攻撃を受けて警察署が閉鎖。新しい警察署は紛争地帯の前哨基地のように設計された
  • ローセンゴード(マルメ): マルメの人口の40%以上が外国出身であり、ローセンゴードでは住民の10人中9人が移民である。地元の学校では14年間にわたり、スウェーデン語を母語とする生徒が一人もいなかった。消防・救急サービスは10年以上にわたり警察の護衛なしでは地域に入ることを拒否している
スウェーデン民主党の台頭

移民政策への反発により、スウェーデン民主党は2010年の6%未満から2022年の選挙で20.6%に躍進し、第二党となった。同党は「移民が我々の国民的アイデンティティ、福祉、安全に対する脅威となってはならない」と主張している。2022年の連立政権(穏健党、自由党、キリスト教民主党、スウェーデン民主党の支援)は「同国史上最も右寄りの政権」と評されている。

フランス

移民の規模

2024年現在、フランスの外国生まれ人口は約920万〜930万人(総人口の13.8%)に達し、ドイツに次いでヨーロッパ第2位である。移民の48.9%がアフリカ大陸出身であり、アルジェリア(649,991人)、モロッコ(617,053人)、チュニジア(304,287人)が上位を占める。2024年には新生児の19%が両親とも外国生まれ、15.2%が片方の親が外国生まれであり、移民が人口増加の主要な原動力(年間人口増加の90%)となっている。

2005年バンリュー暴動

2005年10月27日、クリシー=スー=ボワで警察から逃走中の少年ジエド・ベナとブーナ・トラオレが変電設備で感電死したことを契機に、フランス全土で3週間にわたる暴動が発生した。

  • 非常事態宣言が発令された
  • 10,000台以上の車両が放火された
  • 233棟の公共施設が損壊
  • 2,900人の暴徒が逮捕された
  • 126人の警察官・消防士が負傷
  • 被害総額は2億ユーロ(約2億1,800万ドル)
2023年ナエル暴動

2023年6月27日、ナンテールでの交通検問中に警察官が17歳のナエル・メルズークを射殺したことを契機に、再び全国規模の暴動が発生した。

  • 3,700人以上が警察に拘束され、うち少なくとも1,160人が未成年者であった
  • 暴動は従来のバンリュー(郊外団地)を超えて都市中心部にまで拡大した
  • フランスの人権擁護者ジャック・トゥボンの2017年報告書によれば、北アフリカ系および黒人の男性は一般住民に比べて20倍の確率で職務質問を受けている

イギリス

ロザラム児童性的搾取事件

イギリスにおける移民と社会問題の結節点を最も鮮明に示す事例が、ロザラム(サウス・ヨークシャー)における児童性的搾取事件である。

  • 1997年から2013年にかけて、推定1,400人の少女が性的搾取の被害に遭った
  • 加害者はパキスタン系が大多数を占めた
  • オペレーション・ストーブウッド(英国最大の非家族間児童性的搾取捜査): 約1,150人の被害者が特定され、220人以上が逮捕され、39人が有罪判決を受けた
  • 323人の容疑者と42人の有罪判決者のうち、約3分の2がパキスタン系であった(キャシー男爵夫人報告書)
  • 当局は「人種差別者と見なされることへの恐怖」から16年間にわたり行動を起こさなかった

同様の事件はテルフォードでも発覚し、30年間で1,000人以上の児童が被害に遭った。

ブレグジットと移民問題

2016年6月23日のEU離脱国民投票は、移民問題に対する国民の不満が決定的な要因であった。

  • 離脱派の33%が「移民と国境の管理を取り戻す最善の機会」を主な理由に挙げた
  • 離脱派の81%が多文化主義を「害悪」と認識していた(残留派では19%)
  • 離脱派の68%が移民に対する懸念が投票動機であったと回答した
  • 離脱派の35%が、EU移民がゼロになるならば所得の5%減少を受け入れると回答した

イタリア

米軍基地と地中海移民危機

イタリアはヨーロッパで最多のアメリカ・NATO軍事基地を擁する国であり、約120の米軍基地12,000人以上の米軍が駐留している。主要施設にはシゴネラ海軍航空基地(シチリア島、約4,000人)、ナポリ海軍支援活動施設(米第六艦隊司令部、10,000人以上)、アヴィアーノ空軍基地(約8,500人、核兵器配備)がある。

イタリアは地中海ルートの最前線として、大量の不法移民の到着に直面してきた。

海上到着者数(概算)
2015 153,800人
2016 181,000人(ピーク)
2017 119,400人
2018 23,370人(サルヴィーニの「港湾閉鎖」)
2019 11,470人(最低)
2022 105,000人
2023 157,650人(メローニ政権下)
2024 約66,000人
サルヴィーニの抵抗と裁判

2018年〜2019年、内務大臣サルヴィーニは「港湾閉鎖」政策を実施した。2019年8月、スペインのNGO船オープン・アームズの147人の移民の下船を19日間拒否し、誘拐罪で起訴され最大6年の禁錮刑に直面した。2025年12月17日、イタリア最高裁(破毀院)はサルヴィーニの無罪を確定させた。裁判所は、オープン・アームズに安全な港を指定する義務は旗国であるスペインにあり、イタリアにはないと判断した。

メローニ政権と国際的圧力

2022年10月に就任したメローニ首相は反移民の姿勢を掲げたが、2023年には到着者数が157,650人に急増した。メローニ政権はアルバニアへの処理センター設置、NGO船の活動制限、チュニジア・リビアとの抑止協定など独自の対策を講じているが、EU・アメリカからの人権上の圧力にも直面している。

ハンガリーの抵抗

詳細は「ハンガリー基本法」を参照

ハンガリーは、ヨーロッパの移民危機に対して最も明確な抵抗を示した国である。

国境フェンスの建設

2015年夏、オルバーン首相はセルビアとの175キロメートルの国境に有刺鉄線のフェンスを建設し、続いてクロアチアとの国境にもフェンスを設置した。推定40万人の移民・難民がハンガリーを通過して西ヨーロッパに向かっていた中での措置であった。2015年9月、国境フェンスの無許可越境に対して3年〜10年の禁錮刑を科す刑法改正が行われた。

EU難民割当制度の拒否

2015年9月、EUはギリシャとイタリアから約12万人の難民を再分配する強制的な割当制度を決定した。ハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアは反対票を投じたが、特定多数決により否決された。

  • ハンガリー: 割当数1,294人 → 受け入れ数ゼロ
  • チェコ: 割当数2,691人 → 受け入れ数12人
  • ポーランド: 割当数7,082人 → 受け入れ数ゼロ
  • スロバキア: 割当数902人 → 受け入れ数16人(全員がシングルマザーとその子ども)

ハンガリーは2016年に反割当国民投票を実施し、EU司法裁判所に提訴したが、2017年9月に棄却された。

ソロスとの対立

オルバーン政権は、ジョージ・ソロスオープン・ソサエティ財団(OSF)が移民を奨励しているとして対決姿勢をとった。

  • 2016年: ソロスは移民・難民が設立する企業への投資として5億ドルの拠出を表明
  • OSFの活動: ハンガリーではメネデーク移民協会およびハンガリー・ヘルシンキ委員会を通じて難民への法的支援を提供。ギリシャ、イタリアでも広範な活動を展開
  • 2018年「ストップ・ソロス」法: 庇護申請を支援する活動を最大1年の禁錮刑で処罰する法律を制定。EU司法裁判所は2021年11月にこの法律がEU法に違反すると判決
  • 中央ヨーロッパ大学(CEU)の追放: ソロスが1991年に設立し2億5,000万ドルを寄付したCEUは、2017年の高等教育法改正により標的とされ、2018年12月にウィーンへの移転を余儀なくされた。EU加盟国から大学が追放される初の事例であった
  • OSFの撤退: 2018年、オープン・ソサエティ財団はブダペストからベルリンに地域本部を移転した
EU第7条手続

2018年9月、欧州議会はサルジェンティーニ報告書に基づきハンガリーに対するEU条約第7条手続を発動した。2022年にはEU委員会がハンガリーへの75億ユーロのEU資金凍結を提案した。しかし、ハンガリーとポーランドは相互の拒否権行使により制裁を阻止し続けている。

日本に対する移民・難民受け入れの内政干渉

詳細は「日本の難民政策」「アメリカの人権外交」「インドシナ難民と日本」を参照

インドシナ難民の押し付け(1975年〜)

アメリカが自ら引き起こしたベトナム戦争の結果、インドシナ三国から約144万人の難民が発生した。アメリカは「応分の負担」を名目に日本に圧力をかけ、1978年から2005年までに11,319人のインドシナ難民を受け入れさせ、さらに1981年には難民条約への加入まで強制した。

米国国務省による恫喝

アメリカは二つの年次報告書を通じて日本の入管政策を継続的に攻撃している。

  • 国別人権報告書: 毎年、日本の入管収容の長期・無期限収容、医療体制の不備、難民認定率の低さ(2.3%、G7最下位)を批判
  • 人身売買報告書(TIPレポート): 2007年以降毎年、技能実習制度における強制労働のリスクを指摘。2004年には日本を「監視対象リスト」に格下げし、先進国唯一の「恥辱」を与えた。この格下げは日本政府に「人身取引対策行動計画」の策定を強制した

TIPレポートは政治学者ジュディス・ケリーが「スコアカード外交」と呼ぶ手法——公開の成績評価によって国家の評判を人質に取り、行動変容を迫る戦略——の典型例である。

G7を通じた間接的圧力

アメリカはG7の枠組みを利用して日本に移民・難民政策の「改善」を圧力している。2023年のG7広島サミットでは、議長国としての日本に対してアメリカがG7の人権原則を振りかざし、入管法改正と補完的保護対象者制度の創設を実質的に強制した。

外国人労働者の急増

日本の外国人労働者数は2008年の約50万人から2024年10月には230万人に急増し、4倍以上に膨れ上がった。外国人住民数は2024年末に376万8,977人(前年比10.5%増)に達し、3年連続で過去最高を更新している。

項目 数値(2024年)
外国人労働者数 230万人(過去最高)
外国人住民数 376万8,977人
技能実習生 456,595人
特定技能 284,466人
日本人人口の年間減少 約908,574人

政府は2024年〜2029年の特定技能の受入上限を82万人に設定し、育成就労制度(技能実習制度の後継)と合わせて約123万人の外国人労働者の受入を目標としている。JICAの推計では、2040年までに688万人の外国人労働者が必要とされている。

日本人の人口は2024年に約90万人の純減(出生720,988人、死亡1,618,684人)を記録しており、16年連続の減少である。この人口減少に移民で対応する政策は、スマートシュリンクが提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」原則と正面から対立している。

米軍基地と移民の構造的関係

米軍が駐留する国は、例外なく移民と難民で溢れかえっている。ヨーロッパで最も多くの米軍基地を擁するイタリア(約120基地)とドイツ(約40基地)は、EU域内で亡命申請者の第1位第2位の受入国でもある。これは偶然ではない。

アメリカの帝国主義は以下の構造を通じて機能する。

  1. 軍事介入による難民の創出: リビア(2011年)、シリア(2011年〜)、イラク(2003年)、アフガニスタン(2001年)への軍事介入が、数百万人の難民を発生させた
  2. UNHCRを通じた「応分の負担」の強制: アメリカはUNHCR予算の約40%(年間約20億ドル)を拠出する最大の資金提供国であり、この機関を通じて同盟国に難民受け入れを押し付ける
  3. 「人権」を武器にした恫喝: 米国国務省の人権報告書、国連人権理事会のUPR審査、恣意的拘禁作業部会などを通じて、同盟国の入管政策を「国際基準」に合致させることを強制する
  4. NGO・市民社会を通じた浸透: ソロスのオープン・ソサエティ財団(OSF)、USAIDNEDなどを通じて、「多様性」「多文化主義」の受容を推進するNGOに資金を提供し、移民受け入れの社会的基盤を整備する

アメリカは自ら戦争を引き起こして難民を発生させ、その負担を同盟国に押し付け、拒否する国には「人権」を振りかざして恫喝する。これは、N.S. ライオンズが描写した帝国主義の第四段階——人口侵略——の現代的な形態にほかならない。

リアリズムの観点からの分析

リアリズムの観点から見れば、ヨーロッパと日本における移民・難民の急増は、アメリカ帝国の覇権維持戦略の一環として構造的に理解される。

帝国が生み出す難民、帝国が押し付ける受け入れ

アメリカは中東・北アフリカで軍事介入を行い、数百万人の難民を発生させた。リビア介入(2011年)はカダフィ政権という移民のゲートキーパーを破壊し、シリア介入は世界最大の難民危機を引き起こした。そしてアメリカは、自らが創出した難民の受け入れを、米軍基地が駐留する同盟国に「応分の負担」として押し付けた。

これはインドシナ難民の構造と同一である。アメリカはベトナム戦争で難民を発生させ、その受け入れを日本に強制した。40年後の2015年、同じパターンがヨーロッパで大規模に再現された。

抵抗する国家への制裁

ハンガリーのオルバーン政権は、国境フェンスの建設、EU割当制度の拒否、「ストップ・ソロス」法の制定により、人口侵略に対する最も明確な抵抗を示した。その結果、ハンガリーはEU第7条手続の発動、75億ユーロのEU資金凍結提案、CEUの追放と国際的非難を受けた。

リベラル帝国の論理において、移民の受け入れを拒否する国家は「民主主義の後退」「権威主義」として制裁の対象となる。しかし、自国の人口構成を守る権利は民族自決権の最も基本的な表現であり、外部勢力がそれを否定すること自体が帝国主義にほかならない。

対中国名目の致命的矛盾

詳細は「中国の移民主権論」を参照

アメリカは中国に対抗するために同盟国の結束を要求しながら、同時にその同盟国の社会的基盤を移民・難民政策によって掘り崩している。中国は移民の拒否を国家の自然権と見なし、自国の移民政策を完全に自主的に決定している。一方、アメリカの同盟国——日本、ドイツ、イタリア——は「人権」「国際基準」の名のもとに移民受け入れを強制されている。

アメリカのリベラル帝国主義は、同盟国を弱体化させることで、結果として中国を利するものでしかない。

人口侵略の不可逆性

ライオンズが警告する通り、人口侵略が完了した時点で「後戻りする道はもはや存在しない」。スウェーデンでは人口の35%が非エスニック・スウェーデン人となり、フランスでは移民が人口増加の90%を占め、ドイツでは330万人が保護資格者として定住している。これらの変容は、民族国家としてのヨーロッパ諸国の性格を根本から変えつつある。

日本においても、外国人住民は376万人を超え、政府は2040年までに688万人の外国人労働者が必要だと試算している。日本人の年間90万人の人口減少に対して移民で対応する政策が継続されれば、日本もまたヨーロッパと同じ道を歩むことになる。

スマートシュリンクが提唱する「移民に頼らず人口減少に対応する」政策こそが、人口侵略に対する唯一の防衛線である。

参考文献

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