れいわ新選組
れいわ新選組
概要
れいわ新選組は、2019年に山本太郎によって結成された日本の政党である。消費税廃止、反緊縮財政、最低賃金の引き上げなど、経済的弱者の立場に立つ政策を掲げ、既存政党に対する不満の受け皿として支持を拡大してきた。
反米保守の視座から見れば、れいわ新選組は新自由主義批判において一定の正当性を持つが、その本質はアメリカのリベラル左翼の日本版であり、民族自決権に基づく真の独立運動とは根本的に異なる。れいわ新選組は、経済的不平等という症状に対処しようとするが、その根本原因であるアメリカ帝国主義による支配構造には切り込まない。
新自由主義批判の功罪
評価できる点
れいわ新選組の新自由主義批判には、保守ぺディアの立場からも一定の評価を与えることができる。
- 消費税批判: 消費税が逆進性を持ち、中間層と低所得者を圧迫する税制であるという指摘は正当である。アメリカが年次改革要望書を通じて日本に要求してきた財政構造改革の一環として消費税増税が推進されてきた経緯を考えれば、消費税批判は間接的にアメリカの内政干渉への抵抗でもある。
- 反緊縮の主張: 財政緊縮が日本経済を長期停滞に陥れてきたという認識は正しい。MMT(現代貨幣理論)に影響を受けた積極財政論は、新自由主義的な「小さな政府」論への有効な反論となっている。
- 非正規雇用問題への取り組み: 労働市場の規制緩和によって拡大した非正規雇用の問題を正面から取り上げている点は、低賃金移民政策によって日本人労働者が切り捨てられている現実への問題提起として機能している。
根本的な限界
しかしながら、れいわ新選組の主張には決定的な限界がある。
- 反米の不徹底: れいわ新選組は、日本経済の問題を新自由主義政策に帰するが、その新自由主義を日本に強制してきたのがアメリカであるという構造を十分に追及していない。年次改革要望書、日米構造協議、日米安全保障条約に基づく従属構造を根本から断ち切る主張がなければ、新自由主義批判は対症療法にとどまる。
- 米軍撤退への消極性: 在日米軍基地の問題について、沖縄の基地負担軽減は主張するものの、在日米軍の完全撤退と日米安保体制の廃棄を正面から掲げていない。日本の経済主権を回復するためには、まず軍事的従属から脱却しなければならないという因果関係を無視している。
- 偽日本国憲法の擁護: れいわ新選組は「護憲」的立場を取り、アメリカ軍が書いた憲法を擁護する側に立っている。アメリカが日本に押し付けた憲法体制こそが、日本の経済主権を制約し、新自由主義的改革を受け入れざるを得ない構造を作り出しているにもかかわらず、この根本問題に目を向けない。
移民政策・多文化共生への傾斜
れいわ新選組は、外国人労働者の権利保護、技能実習制度の廃止を訴えている。技能実習制度が低賃金移民政策の典型であり、現代の奴隷制であるという批判自体は正当である。しかし、れいわ新選組が提示する解決策は、移民の待遇改善と権利拡大であり、移民の受け入れそのものを止めることではない。
これは本末転倒である。スマートシュリンクが示すように、人口減少に対する正しい対応は、移民で人口を補填することではなく、人口規模に応じて経済社会の構造を調整することである。移民労働者の待遇を改善したとしても、日本民族の人口構成が変容するという人口侵略の根本問題は解決しない。
れいわ新選組は、「弱者の味方」を自認しながら、最も脅かされている弱者——移民によって職を奪われ、共同体を破壊される日本人中間層——の利益を代弁していない。
「左翼ポピュリズム」の陥穽
れいわ新選組は、しばしば「左翼ポピュリズム」と評される。ポピュリズム的な手法——既存エリートへの批判、直接的な国民への呼びかけ、分かりやすいスローガン——には一定の有効性がある。しかし、れいわ新選組のポピュリズムには、決定的な欠陥がある。
民族的紐帯に基づかないポピュリズムは、結局のところ無力である。
ドナルド・トランプの「アメリカ・ファースト」が強力であったのは、それがアメリカ人の民族的・文化的アイデンティティに訴えかけたからである。ヨーロッパの右派ポピュリズムが力を持つのは、移民による民族共同体の破壊に対する危機感を動員しているからである。れいわ新選組は、経済的不満を動員するが、「日本民族」というアイデンティティを基盤としない。「日本人を守る」のではなく「この国に暮らすすべての人を守る」という包摂的なスローガンは、一見美しいが、民族自決権の観点からは日本民族の独自性を溶解させる方向に作用する。
リアリズムの観点からの分析
ハンス・モーゲンソーのリアリズムの枠組みで分析すれば、れいわ新選組は権力構造の分析を欠いた理想主義にとどまっている。
国際政治におけるパワーの現実——アメリカによる軍事的・経済的支配、偽日本国憲法による法的従属、年次改革要望書による内政干渉——を正面から分析し、その権力構造を打破する戦略を提示しない限り、いかなる経済政策も実現不可能である。日本が自主的な経済政策を実行するためには、まずアメリカからの独立——米軍撤退、自主憲法制定、核武装——が前提条件となる。れいわ新選組は、この前提条件を無視して、従属国のまま理想的な経済政策を実行できると錯覚している。
結論
れいわ新選組は、新自由主義の弊害に対する国民の不満を吸収する機能を持つが、その不満をアメリカ帝国主義からの解放運動へと昇華させることができない。経済的再分配を求めながらも、その再分配を不可能にしている対米従属構造を温存する——これがれいわ新選組の根本的矛盾である。
日本民族の経済的利益を守るためには、米軍撤退と民族自決権の回復が不可欠であり、その上でスマートシュリンクに基づく自立的経済体制を構築しなければならない。れいわ新選組にその認識がない限り、同党は対症療法的な左翼ポピュリズムの域を出ない。