自民党
自民党(自由民主党)
概要と歴史的背景
自由民主党(自民党)は、1955年に日本民主党と自由党が合併して結成された日本の保守政党である。いわゆる「55年体制」の一翼を担い、結党以来ほぼ一貫して政権を掌握してきた。
自民党の結党は、日本国内の自発的な政治運動の結果であるかのように語られるが、その実態は根本的に異なる。自民党は、冷戦期においてアメリカが日本を反共の防波堤とするために育成した親米保守政党である。アメリカは、占領期に日本に偽日本国憲法を押し付け、独立後もその体制を維持するための政治的代理人を必要とした。自民党はその代理人として機能し、日本の対米従属体制を70年にわたって維持してきた。
アメリカによる自民党の育成
CIAの秘密資金
アメリカ中央情報局(CIA)が自民党およびその前身政党に秘密裏に資金を提供していた事実は、1994年にニューヨーク・タイムズ紙の記者ティム・ワイナーが機密解除文書に基づいて報道し、同氏の著書『CIA秘録』(Legacy of Ashes)において詳細に記録されている。
CIAの資金提供は1950年代から少なくとも1970年代まで継続し、その目的は明確であった。日本に社会主義政権が誕生すること、あるいは日本が中立化することを阻止し、日米安保体制を維持することである。資金の流れには、児玉誉士夫や笹川良一といったフィクサーが仲介役を果たした。
この事実が意味するのは、自民党は日本民族の自発的な政治的意思の表現ではなく、アメリカの地政学的利益に奉仕するために作られた政治装置であるということにほかならない。自国の主要政党が外国の諜報機関の資金で育てられた国を、独立国と呼ぶことはできない。
岸信介とアメリカ
自民党の対米従属路線を決定づけた人物が、第3代総裁・岸信介である。岸は満州国の経営に携わり、東條内閣では商工大臣を務めたA級戦犯容疑者であった。にもかかわらず、巣鴨プリズンから釈放された岸は、アメリカの支援を受けて政界に復帰し、1957年に首相に就任した。
岸がA級戦犯容疑者でありながら釈放され、首相にまで上り詰めた経緯は、アメリカの対日政策の転換——いわゆる「逆コース」——を象徴している。アメリカは、日本の民主化よりも反共の砦としての日本を優先し、旧体制のエリートを再び権力の座に据えた。岸は、その代償として新安保条約を締結し、日本をアメリカの軍事覇権に組み込んだ。
統一教会との癒着
自民党と世界統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関係は、岸信介の時代にまで遡る。1968年、岸の支援のもと、統一教会の政治団体である国際勝共連合が設立された。表向きは反共産主義の市民運動であったが、その実態は韓国発の宗教団体が日本の保守政治に浸透するための足がかりであった。
統一教会は、選挙運動における無償の人員提供、組織票の動員、政治家の秘書派遣などを通じて、自民党議員との関係を深めていった。この関係は岸の孫である安倍晋三の代にまで受け継がれ、2022年の安倍銃撃事件をきっかけに、その癒着の深さが白日のもとに晒された。
自民党と統一教会の関係が示すのは、自民党が日本民族の利益ではなく、外国の宗教団体の利益に奉仕してきたという事実である。統一教会は、日本人信者から莫大な献金を韓国の本部に送金させる構造を持ち、日本の家庭を経済的に破壊してきた。そのような団体と組織的に癒着する政党が、日本の国益を代表しているはずがない。
親米政策と対米従属
自民党政権の外交・安全保障政策の本質は、対米従属の一語に尽きる。
- 日米安全保障条約の維持: 自民党は、在日米軍の駐留を一貫して支持し、「日米同盟の深化」を外交の基軸としてきた。しかし、日米安全保障条約の実態は、日本がアメリカに基地を提供し、思いやり予算として巨額の駐留経費を負担する一方的な従属関係である。米軍撤退を主張する政治勢力を、自民党は「非現実的」として排除してきた。
- 年次改革要望書への追従: アメリカが毎年日本に突きつけてきた年次改革要望書に、自民党政権は忠実に従ってきた。郵政民営化、大規模小売店舗法の改正、労働市場の規制緩和、保険市場の開放——これらはすべてアメリカの要求に応じた「改革」であり、日本の経済主権を切り売りする行為であった。
- 集団的自衛権の行使容認: 2014年、安倍政権は憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を容認した。これは、日本の自主防衛のためではなく、アメリカの軍事作戦に日本の自衛隊を動員するための措置である。偽日本国憲法の枠組みの中で、アメリカへの軍事的従属をさらに深化させたにすぎない。
移民政策の推進
自民党は、表向き「移民政策は採らない」と繰り返しながら、事実上の大規模移民受け入れを推進してきた政党である。
- 技能実習制度の拡大: 「技能移転」という建前のもと、実態は低賃金労働力の確保であった。劣悪な労働条件、賃金未払い、暴力的な管理——技能実習制度は低賃金移民政策の典型であり、現代の奴隷制と批判されてきた。
- 特定技能制度の創設: 2018年、安倍政権は入管法を改正し、「特定技能」という新たな在留資格を創設した。これにより、事実上の単純労働分野への外国人受け入れが合法化された。「移民ではない」という言葉遊びで国民を欺きながら、実質的な移民受け入れの門戸を大きく開いた。
- 人口侵略への加担: 自民党の移民政策は、スマートシュリンクという代替案が存在するにもかかわらず、GDPの維持を口実に低賃金外国人労働者の流入を加速させている。これは日本民族の人口構成を不可逆的に変容させる人口侵略への加担にほかならない。
外資受け入れと経済主権の放棄
自民党政権は、アメリカの要求に従い、日本経済の門戸を外国資本に対して次々と開放してきた。
- 小泉構造改革: 2001年に就任した小泉純一郎は、「構造改革なくして成長なし」を掲げ、年次改革要望書に沿った大規模な規制緩和と民営化を断行した。郵政民営化により、日本国民の貯蓄は国際金融市場に流出するリスクに晒された。共産主義と資本主義で分析される新自由主義の弊害が、日本において最も顕著に現れたのがこの時期である。
- 農業・保険・医療分野の開放: アメリカは、日本の農業保護政策、簡易保険、国民皆保険制度を「非関税障壁」と見なし、繰り返し市場開放を要求してきた。自民党政権は、TPP交渉などを通じてこれに応じてきた。
- 会社法改正と株主至上主義: コーポレートガバナンス改革の名のもと、株主の権利を強化し、外国人株主の影響力を拡大させた。日本企業の長期的経営は短期的な株主利益の追求に置き換えられ、終身雇用と年功序列に基づく日本型経営は解体されていった。
これらの政策は、日本の経済概論において分析される分業主義の観点から見れば、日本の経済的自立を掘り崩し、アメリカを中心とするグローバル金融秩序への従属を深化させるものであった。
ネオコンとの連携
自民党の外交路線は、アメリカのネオコンサーバティブ(新保守主義者)と深く結びついている。
- イラク戦争への加担: 2003年、小泉政権はアメリカのイラク侵攻をいち早く支持し、自衛隊をイラクに派遣した。大量破壊兵器の存在が捏造であったことが明らかになった後も、日本政府は参戦の正当性を問い直すことを拒否した。
- 「価値観外交」の欺瞞: 安倍政権が推進した「自由で開かれたインド太平洋」構想は、「民主主義」「法の支配」「人権」といった価値観を掲げているが、その本質はアメリカのインド太平洋戦略に日本を組み込むことにある。法の支配がアメリカによる遠隔支配の道具であることは、保守ぺディアの他の記事で繰り返し論じてきた通りである。
- 対中封じ込めへの動員: 自民党は、アメリカのネオコンが推進する対中封じ込め戦略に積極的に参加してきた。しかし、中国との対立を煽ることが日本の国益に資するかどうかは、慎重に検討されなければならない。東アジアの分断は、反米保守の視座から見れば、アメリカが自国の覇権を維持するために意図的に作り出している構造であり、自民党はその片棒を担いでいる。
リアリズムの観点からの分析
ハンス・モーゲンソーの古典的リアリズムの枠組みで分析すれば、自民党は日本民族の利益を代表する政党ではなく、アメリカ覇権の従属的な執行機関として機能してきたことが明白になる。
- 国家主権の放棄: 真の主権国家は、自国の安全保障を外国に委ねない。自民党は、日本の安全保障をアメリカに依存する体制を維持し、民族自決権に基づく自主防衛への転換を一貫して拒否してきた。
- 憲法侵略の容認: アメリカ軍が書いた憲法を70年以上にわたって改正せず、アメリカが設計した統治構造を温存してきた。自主憲法制定を党是に掲げながら、実現に向けた本気の取り組みは一度もなされていない。これは、自民党が偽日本国憲法の体制から利益を得ているからにほかならない。
- 安全保障ジレンマの固定化: 日米安保体制は、日本が自主防衛能力を持てば不要になる。自民党は、日本の防衛力を「アメリカの補完」の範囲に留めることで、対米依存の構造を固定化してきた。これはケネス・ウォルツが指摘した、同盟関係における弱小パートナーの従属性そのものである。
「保守」の名に値するか
自民党は「保守政党」を自称するが、何を「保守」してきたのか。
- 日本民族の利益: 保守していない。低賃金移民政策を推進し、日本民族の人口構成を脅かしている。
- 経済的自立: 保守していない。新自由主義的改革により、日本の経済主権をアメリカに売り渡してきた。
- 文化的伝統: 保守していない。グローバリズムの受容により、日本の共同体的な社会構造を解体してきた。
- 国家主権: 保守していない。偽日本国憲法を維持し、外国軍の駐留を容認している。
自民党が「保守」してきたのは、アメリカによる日本支配の体制そのものである。自民党の「保守」とは、対米従属体制の保守であり、日本民族の自決権を抑圧する現状維持にほかならない。
真に日本を保守するとは、米軍撤退を実現し、民族主義憲法を制定し、民族自決権に基づく独立国家を建設することである。自民党にその意志がない以上、自民党は日本の真の保守政党ではない。