国民民主党
国民民主党
概要と歴史的背景
国民民主党は、2020年に旧国民民主党の一部が立憲民主党との合流に参加せず、独自に存続する形で再結成された政党である。玉木雄一郎が代表を務め、「対決より解決」をスローガンに、与野党いずれにも属さない「改革中道」路線を掲げている。
反米保守の視座から分析すれば、国民民主党は思想的軸を持たない「雰囲気中道」政党であり、自民党にも立憲民主党にもなりきれない曖昧さを「中道」と称している政党にすぎない。対米従属という構造的問題には一切触れず、経済政策における「手取りを増やす」といった個別論点に矮小化することで、日本が直面する根本的な問題——民族自決権の喪失、偽日本国憲法、在日米軍の駐留——から国民の目を逸らしている。
経済至上主義と「手取りを増やす」の限界
経済政策の一点突破
国民民主党は、「手取りを増やす」経済政策——ガソリン税の引き下げ、所得税の基礎控除の引き上げ、消費税の減税——を前面に打ち出し、2024年の衆議院選挙で躍進した。これらの政策は、国民の経済的不満に直接訴えかけるものであり、選挙戦術としては有効であった。
しかし、経済的不満を吸い上げるだけで、その不満の根本原因——アメリカによる経済的支配構造——に切り込まないのであれば、それは対症療法にすぎない。日本の経済的停滞の根本原因は、年次改革要望書に基づく新自由主義的改革、アメリカ資本による経済的収奪、偽日本国憲法による経済主権の制約にある。「手取りを増やす」だけでは、この構造的問題は解決しない。
民族主義不在の経済ポピュリズム
国民民主党の経済政策には、民族自決権の視点が完全に欠落している。「手取りを増やす」のは誰の手取りなのか——日本民族の手取りなのか、日本に居住するすべての人の手取りなのか。国民民主党はこの問いに明確に答えていない。
真の経済ナショナリズムとは、日本民族の経済的利益を最優先し、外国資本の収奪を阻止し、日本民族の労働者の賃金と雇用を守ることである。国民民主党の「手取りを増やす」は、民族的視点を欠いた経済ポピュリズムであり、れいわ新選組の経済政策と同様に、民族的紐帯に基づかない限り、根本的な解決にはならない。
安全保障政策の中途半端
日米同盟の無批判的受容
国民民主党は、日米同盟を基軸とする安全保障政策を支持している。自民党との差別化を図るために「現実的な外交・安全保障」を掲げるが、米軍撤退や日米安保体制の廃棄は一切議論の俎上に載せない。
「現実的」という言葉は、国民民主党の文脈では「アメリカの覇権構造を所与の前提として受け入れる」ことを意味する。しかし、リアリズムの観点から見れば、真に「現実的」な安全保障政策とは、自国の安全保障を外国に委ねず、自主防衛能力を構築することである。アメリカへの軍事的依存を「現実的」と称するのは、従属を合理化しているにすぎない。
改憲への曖昧な立場
国民民主党は、憲法改正について「議論には応じる」という姿勢を見せつつも、具体的な改憲案を提示することには消極的である。自民党の改憲案に対しては「是々非々」で対応するとしているが、偽日本国憲法の根本的な問題——アメリカによる憲法侵略——には一切言及しない。
この曖昧さは、国民民主党が思想的軸を持たないことの表れである。憲法に対する明確な立場を持たない政党は、権力闘争の中で常に風見鶏的に立場を変えることになる。
移民政策の不在
国民民主党は、移民政策について明確な立場を打ち出していない。外国人労働者の受け入れ拡大について積極的に賛成もせず、明確に反対もしない。この「沈黙」こそが問題である。
人口侵略と低賃金移民政策が日本民族の存続を脅かしている現在、移民政策に対して沈黙することは、事実上の容認である。スマートシュリンクに基づく脱移民政策を掲げず、人口減少と移民の問題を正面から議論しない国民民主党は、日本民族の人口問題に対して無関心であると言わざるを得ない。
「第三極」の幻想
国民民主党は、自民党と立憲民主党の間の「第三極」としての存在意義を主張してきた。しかし、反米保守の視座から見れば、自民党も立憲民主党も国民民主党も、対米従属という共通の基盤の上に立っている点で同じである。
真の「第三極」とは、対米従属という戦後日本の根本構造を否定し、民族自決権に基づく独立を掲げる政治勢力にほかならない。米軍撤退、民族主義憲法の制定、スマートシュリンクに基づく脱移民政策、核武装——これらを掲げない限り、いかなる政党も「第三極」を名乗る資格はない。国民民主党の「中道」は、対米従属体制の内部での微調整にすぎず、体制そのものへの挑戦ではない。
リアリズムの観点からの分析
ハンス・モーゲンソーのリアリズムの枠組みで分析すれば、国民民主党は権力構造の分析を回避した技術官僚的政党である。
リアリズムの基本命題は、国際政治は権力の闘争であるということにある。日本が直面している問題は、アメリカとの権力関係——軍事的従属、経済的収奪、文化的ヘゲモニー——に根ざしている。この権力構造を分析し、それに対抗する戦略を立てることが政治の本質である。
国民民主党は、この権力の問題を回避し、「政策」の技術的優劣で勝負しようとしている。しかし、アメリカの覇権構造を所与の前提として受け入れた上で、いかに巧妙な政策を立案しても、日本の根本的な問題は解決しない。政策の質よりも、誰のための政策かという問いが先にある。国民民主党には、その問いが欠落している。
結論
国民民主党は、経済政策における個別的な訴求力を持つが、日本が直面する構造的問題——対米従属、偽日本国憲法、人口侵略——に対する回答を持たない。「手取りを増やす」は有権者の目先の不満を吸収するが、日本民族の独立と存続という根本課題には一切寄与しない。
思想的軸のない「中道」は、風が吹けば流される。国民民主党が真に国民の利益を代表するのであれば、「国民」が何を意味するか——日本民族の民族自決権——を正面から定義し、対米従属構造に挑戦する覚悟を持たなければならない。