日本の政治の異常性
日本の政治の異常性
概要
日本の政治の異常性とは、日本の政治において「保守」を自称する政権が実質的に極左的な政策を遂行し、国家主権と民族自決権を体系的に破壊しているにもかかわらず、国民がそれを「保守政治」として受容し続けているという構造的異常を指す。
世界のどの国においても、保守政党とは民族の伝統、文化的同質性、国家主権を守る政治勢力である。ところが日本では、「保守」を名乗る自民党が、アメリカの命令に忠実に従い、大量移民を受け入れ、新自由主義的構造改革を断行し、東アジア諸国との関係を破壊し、民族共同体を解体する政策を40年以上にわたって推進してきた。これらの政策は、ヨーロッパやラテンアメリカでは左翼政権やリベラル政権の政策として分類されるものばかりである。
日本政治の異常性の核心は、政策の中身が極左であるにもかかわらず、それが「保守」として通用しているという認知の歪みにある。この歪みを維持しているのが、腐敗したメディアと、アメリカに従属する政治構造である。靖国神社に参拝しさえすれば「保守」と見なされ、中国に強い態度をとりさえすれば「愛国者」と称される。政策の実質ではなく、象徴的パフォーマンスだけで「保守」の看板が成立してしまう。これが日本政治の最大の異常にほかならない。
靖国参拝と移民受け入れの矛盾
日本政治の異常性を最も端的に示すのが、靖国神社参拝と移民受け入れの同時進行である。
靖国神社には、日本民族の独立と存続のために命を捧げた英霊が祀られている。靖国神社が象徴するのは、日本民族の連続性、自己犠牲の精神、そして民族としての一体性である。靖国に参拝するということは、日本民族の存続に対する敬意と責任を表明する行為にほかならない。
ところが、靖国神社に参拝する同じ政治家が、移民受け入れを推進している。安倍晋三は在任中に靖国神社を参拝し、「日本を取り戻す」と繰り返しながら、特定技能制度を創設し、事実上の大量移民受け入れの門戸を開いた。英霊の前で頭を下げながら、英霊が命をかけて守った日本民族の人口構成を不可逆的に変容させる政策を推進する。これは冒涜にほかならない。
靖国神社に祀られる英霊が命をかけて守ろうとしたのは、GDP(国内総生産)ではない。株価でも、経団連の利益でもない。日本という民族共同体である。その民族共同体を移民によって解体する政治家が、英霊の前に立つ資格があるだろうか。
靖国参拝の政治的消費
自民党政治家にとって、靖国参拝は政策的な意味を持たない象徴的パフォーマンスに堕している。参拝すれば保守層の支持を得られる。しかし参拝した翌日には、年次改革要望書に基づく構造改革を粛々と実行し、移民受け入れ枠を拡大し、外資に市場を開放する。靖国参拝は、保守層を懐柔するための政治的道具に過ぎず、民族の存続に対する真摯な決意ではない。
ハンガリーのオルバーン首相は、靖国参拝のようなパフォーマンスはしない。しかし、移民を明確に拒否し、家族支援政策を通じてハンガリー民族の存続を守る政策を実行している。行動で民族を守る政治家と、儀式で民族を守るふりをする政治家。この対比が、日本政治の異常性を鮮明に浮かび上がらせる。
東アジアを裏切りながら移民を受け入れる矛盾
日本政治のもう一つの異常は、東アジア諸国との関係を破壊しながら、移民を受け入れているという矛盾である。
自民党政権は、アメリカの東アジア戦略に従い、中国・韓国・北朝鮮との関係を悪化させてきた。尖閣諸島問題での対立激化、韓国との慰安婦問題や徴用工問題をめぐる摩擦、北朝鮮への制裁強化。これらはすべて、アメリカの「分割して統治せよ」(divide et impera)戦略の一環として、東アジアの分断を固定化する機能を果たしている。
アメリカによる東アジア分断の構造
アメリカにとって、東アジア諸国が団結することは覇権への直接的脅威である。日本・中国・韓国が経済的にも政治的にも協調すれば、アメリカの東アジアにおけるプレゼンスは不要になる。だからこそアメリカは、歴史問題を利用して日韓関係を悪化させ、中国脅威論を煽って日中対立を激化させ、東アジアの統合を阻止してきた。
自民党はこの分断戦略の忠実な執行者である。アメリカの指示に従って中国を「脅威」と位置づけ、韓国との関係を冷却化させ、東アジアにおける日本の孤立を深めてきた。自由で開かれたインド太平洋構想は、この分断戦略を「法の支配」と「民主主義」の名のもとに正当化する枠組みにほかならない。
裏切りと移民の同時進行
異常なのは、東アジア諸国を敵視しながら、その東アジアから移民を受け入れていることである。中国人・ベトナム人・フィリピン人の労働者を低賃金移民政策のもとで搾取的に使役しながら、同時にこれらの国々を「価値観を共有しない国」として排斥する。人間は安価な労働力として欲しいが、国家としては敵視する。この矛盾は、日本政府にとって東アジアの人々が民族としてではなく、経済的資源としてのみ存在していることを示している。
論理的に考えれば、二つの選択肢しかない。
- 東アジアとの関係を修復し、対等なパートナーシップを築く: もし東アジアの人々を受け入れるのであれば、彼らの出身国との関係も尊重しなければならない。移民を受け入れながら出身国を敵視することは、移民に対する侮辱であり、移民自身の民族的アイデンティティの否定である
- 東アジアとの対立を維持し、移民を拒否する: もし中国や韓国を「脅威」と見なすのであれば、これらの国からの移民を受け入れるべきではない。安全保障上の敵国からの人口流入を許すことは、いかなるリアリズムの理論からも正当化できない
自民党政権はこのどちらも選ばず、東アジアを裏切りながら移民を受け入れるという最悪の組み合わせを選択している。東アジアの国々の人間は低賃金で搾取するが、国としては敵視する。アメリカには忠実に従うが、近隣諸国とは対立を深める。この政策は、日本民族の利益にもアジアの安定にも奉仕しない。奉仕しているのは、東アジアの分断を望むアメリカの覇権的利益だけである。
「保守」政権の極左的政策
日本政治の最大の異常は、自民党政権の政策が実質的に極左的であるという事実である。ヨーロッパの政治座標で評価すれば、自民党の過去40年間の政策は、社会民主主義政党どころか、グローバリスト左翼の政策と見分けがつかない。
自民党の「左翼的」政策一覧
| 政策分野 | 自民党の政策 | 欧州における同等の政策 | 推進主体 |
|---|---|---|---|
| 移民 | 事実上の大量移民受入(230万人超の外国人労働者) | 移民の大量受入 | リベラル・左派政党 |
| 経済 | 新自由主義的構造改革、規制緩和、民営化 | ワシントン・コンセンサス的改革 | ネオリベラル政党 |
| 労働 | 非正規雇用の拡大、終身雇用の解体、労働市場の流動化 | 労働市場の規制緩和 | ネオリベラル政党 |
| 文化 | 多文化共生の推進、「ダイバーシティ」の導入 | 多文化主義政策 | リベラル・左派政党 |
| 外交 | 自主外交の放棄、対米従属 | 覇権国への従属 | (該当なし:通常は左右を問わず批判される) |
| 安全保障 | 外国軍への基地提供、日米安全保障条約の無条件維持 | 外国軍の駐留容認 | (該当なし:通常は主権侵害として批判される) |
| 国家主権 | 年次改革要望書への追従、外圧による法改正 | 国家主権の放棄 | 超国家主義的勢力(EU過激派等) |
この表が示すのは、自民党の政策がヨーロッパの保守政党の政策とは正反対であるという事実である。ヨーロッパの保守政党は移民を制限し、共同体を守り、国家主権を擁護する。自民党は移民を推進し、共同体を解体し、国家主権をアメリカに譲渡している。
なぜ「保守」と呼ばれるのか
ここに日本政治の核心的異常がある。極左的な政策を実行する政党が、なぜ「保守」として通用するのか。その理由は三つある。
- 象徴的パフォーマンスによる擬態: 靖国参拝、国旗・国歌の尊重、皇室への敬意の表明。これらの象徴的行為が「保守」のアリバイとして機能し、政策の実質から国民の目を逸らしている。靖国に参拝しさえすれば、移民を何百万人入れても「保守」と見なされる
- 中国脅威論による保守偽装: 中国に対して強硬な態度をとれば、それだけで「保守」「愛国者」と見なされる構造がある。しかし中国に強く出ることとアメリカに従属することは全く別の問題であり、アメリカの代理として中国を敵視することは「保守」でも「愛国」でもない。単なる代理敵意(proxy hostility)にすぎない
- 比較対象の不在: 日本には真の保守政党が存在しない。自民党よりも右に位置する政党がないため、自民党が「保守」の基準点となってしまっている。ハンガリーのフィデス党やフランスの国民連合のような、移民を拒否し国家主権を擁護する保守政党が日本には存在しない
中国に強く出れば保守という錯覚
日本において「保守」の最も簡便な指標とされているのが、対中強硬姿勢である。中国を批判し、「中国の脅威」を訴え、防衛費の増額を主張すれば、それだけで「保守派」の称号が与えられる。
しかしこの基準は、根本的に欺瞞的である。
中国脅威論の構造
ジョン・ミアシャイマーの攻撃的リアリズムの枠組みで分析すれば、中国の台頭はアジアにおける地域覇権の追求として理解される。これ自体は国際政治の常態であり、いかなる大国もその能力が許す限り影響力の拡大を試みる。問題は、この中国の台頭に対する日本の対応が、日本自身の国益ではなく、アメリカの覇権維持という目的に奉仕していることにある。
アメリカにとって中国は、世界覇権に対する唯一の挑戦者である。アメリカが日本に期待しているのは、中国の封じ込めにおける「前方の盾」としての役割である。自民党政権が推進する防衛費の増額、南西諸島へのミサイル配備、日米同盟の「深化」は、すべてこのアメリカの対中戦略に組み込まれたものであり、日本の自主防衛とは何の関係もない。
「保守」の基準の倒錯
中国に強く出ることが「保守」であるならば、以下の疑問に答えなければならない。
- なぜ中国に強く出る政治家が、アメリカには一言も反論しないのか
- なぜ中国脅威を訴える政治家が、在日アメリカ軍の撤退を求めないのか
- なぜ中国の覇権を批判する政治家が、アメリカの覇権は無批判に受容するのか
- なぜ中国の人権侵害を批判する政治家が、技能実習制度という人権侵害は容認するのか
これらの矛盾が示すのは、対中強硬姿勢が日本の国益に基づくものではなく、アメリカの指示に従った代理的な敵意であるということである。真の保守であれば、中国にもアメリカにも等しく距離を置き、日本の国益を最優先に外交を展開するはずである。中国だけに強く出てアメリカには従順であるという態度は、保守主義ではなく、対米従属主義にほかならない。
高市早苗に代表される自民党内の「保守派」は、中国脅威論を声高に唱えながら、日米同盟の「深化」を訴え、米軍撤退を一切語らない。これは保守ではない。アメリカのネオコンの代理人であり、日本民族の利益とは無関係な地政学的役割を自発的に引き受けているにすぎない。
自民党の40年間の左翼政策
1985年のプラザ合意以降、自民党政権はアメリカの指示に従い、日本の経済・社会構造を根本から改変してきた。この40年間の政策は、日本民族の共同体を体系的に解体する左翼的政策の連続であった。
1985年〜1990年代:プラザ合意と構造改革の始まり
- プラザ合意(1985年): アメリカの要求により円高を受け入れ、日本の輸出産業に致命的打撃を与えた。これは日本経済に対するアメリカの経済的攻撃の始まりである
- 日米構造協議(1989-1990年): アメリカが日本の経済構造そのものに介入し、大規模小売店舗法の改正、公共投資の拡大などを要求した。日本の内政にアメリカが直接的に介入する制度化の始まりである
- バブル崩壊後の不作為: バブル崩壊(1991年)後、自民党政権は積極的な財政出動ではなく、アメリカが求める構造改革路線を選択し、「失われた30年」を招いた
2000年代:小泉構造改革とアメリカへの全面降伏
- 小泉構造改革(2001-2006年): 年次改革要望書に沿った民営化と規制緩和を断行。郵政民営化により340兆円に及ぶ国民の貯蓄が国際金融市場に晒された。非正規雇用の拡大により日本型の終身雇用・年功序列は解体された
- 派遣法改正(2004年): 製造業への派遣労働を解禁。日本の労働者の権利を削り、資本家の利益を最大化する新自由主義的政策の典型である
- イラク戦争への加担(2003年): 大量破壊兵器の存在が捏造であったにもかかわらず、アメリカの侵略戦争をいち早く支持し、自衛隊を派遣した
2010年代〜現在:移民政策と安保法制
- 特定技能制度の創設(2018年): 「移民政策は採らない」と嘘をつきながら、事実上の大量移民受け入れの制度を設計した。保守政党による移民推進で詳述した通り、外国人労働者数は230万人を超え、JICAの推計では2040年までに688万人が必要とされている
- 安保法制(2015年): 集団的自衛権の行使を容認し、日本の自衛隊をアメリカの軍事作戦に動員する法的基盤を整備した。日本の自主防衛ではなく、アメリカの軍事覇権への従属を深化させるものにほかならない
- TPP交渉(2013年〜): アメリカ主導の自由貿易圏に参加し、日本の農業・医療・保険分野の市場を外国資本に開放した
40年間の帰結
この40年間で日本が失ったものは甚大である。
- 経済的主権: プラザ合意以降、日本の経済政策はアメリカの指示に従属している
- 雇用の安定: 終身雇用と年功序列は解体され、非正規雇用が労働者の4割近くを占める
- 民族的同質性: 外国人住民数は376万人を超え、3年連続で過去最高を更新
- 国際的自立: 日米安全保障条約によりアメリカ軍の駐留を容認し、自主防衛を放棄
- 文化的伝統: グローバリズムの浸透により、日本型の共同体的社会構造が急速に崩壊
これらの政策のどれ一つとして、「保守」の名にふさわしいものはない。すべてが、民族共同体を解体し、国家主権を放棄し、外国の利益に奉仕する政策である。自民党の40年間は、「保守」の看板を掲げた左翼的解体の歴史にほかならない。
アメリカの命令に全て従う構造
自民党政権の政策が極左的である理由は明白である。自民党は自らの意思で政策を立案しているのではなく、アメリカの命令に従っているからである。
年次改革要望書という命令書
年次改革要望書(Annual Reform Recommendations from the Government of the United States to the Government of Japan)は、1994年から2008年まで毎年、アメリカ政府が日本政府に提出した改革要求リストである。この「要望書」という名称は欺瞞的である。要望とは拒否できる依頼のことであるが、日本政府がこの「要望」を拒否した例はほとんどない。実態は命令書である。
関岡英之は『拒否できない日本』において、年次改革要望書に記載された要求と、その後の日本の法改正が一対一で対応していることを詳細に実証した。郵政民営化、建築基準法改正、商法改正、司法制度改革。日本の「改革」の大半は、アメリカの年次改革要望書に起源を持つ。
ジャパンハンドラーのネットワーク
ジャパンハンドラーと呼ばれるアメリカの知日派は、シンクタンク、大学、政府機関を通じて日本の政策決定に影響力を行使している。リチャード・アーミテージとジョセフ・ナイによる「アーミテージ・ナイ報告書」は、日本の安全保障政策の方向性を事実上決定してきた。集団的自衛権の行使容認、防衛費のGDP比2%への増額、秘密保護法の制定。これらはすべて、アーミテージ・ナイ報告書の「提言」に沿って実現されたものである。
日本の首相がワシントンを訪問し、アメリカ議会で英語のスピーチを行い、「日米同盟の深化」を約束する。この儀式は、属国の指導者が宗主国に忠誠を誓う朝貢外交の現代版にほかならない。
命令の範囲:移民から安全保障まで
アメリカの命令は、個別の政策領域にとどまらず、日本の政治構造全体を規定している。
- 移民政策: アメリカの移民強制で分析した通り、日本の移民受け入れ拡大はアメリカの構造的要求に応じたものである。労働市場の開放、規制緩和、「多様性」の推進。これらはすべてアメリカが日本に要求してきた「改革」の一環である
- 安全保障: 在日アメリカ軍の駐留維持、思いやり予算の負担、集団的自衛権の行使容認。日本の安全保障政策は、アメリカの東アジア戦略に完全に従属している
- 経済政策: 新自由主義的構造改革、民営化、外資開放。アメリカの金融資本が日本市場に参入しやすい環境を整備することが、自民党政権の経済政策の基本方針である
- 外交: 中国封じ込め、韓国との歴史問題の「管理」、北朝鮮制裁。日本の外交はアメリカの世界戦略の下請けであり、日本独自の国益に基づく外交は存在しない
自民党はアメリカの命令を忠実に執行する政治的代理人である。CIAの秘密資金で育成された歴史を持つ自民党が、70年後の今もなおアメリカの意向に忠実であることは、驚くべきことではない。自民党の記事で詳述した通り、自民党は日本民族の政治的意思の表現ではなく、アメリカの地政学的利益に奉仕するために作られた政治装置である。
国民がそれでも自民党を支持する理由
日本政治の異常性において最も深刻なのは、上述のような構造的問題にもかかわらず、国民が自民党を支持し続けているという事実である。
「他に選択肢がない」という錯覚
自民党支持者が最も頻繁に口にするのが、「他に選択肢がない」「野党はもっとひどい」という言い訳である。しかしこの論理は循環論法にほかならない。自民党が70年間政権を独占してきたからこそ、まともな野党が育たなかったのである。自民党を支持する理由が「他に選択肢がない」であるならば、その選択肢の不在を作り出したのもまた自民党である。
「保守」ラベルへの盲信
多くの日本国民は、政策の中身ではなく、政党のラベルで投票行動を決定している。自民党が「保守」を名乗っているから支持する。立憲民主党が「リベラル」だから支持しない。しかし、政策の実質を比較すれば、自民党の方がはるかにリベラル(グローバリスト左翼的)である。移民を推進し、新自由主義的改革を断行し、共同体を解体しているのは自民党であり、立憲民主党ではない。
ラベルと実質の乖離に気づかない国民は、「保守」という名の左翼政党に騙され続けている。
対米従属の内面化
戦後80年にわたる対米従属は、日本国民の意識にも深く浸透している。アメリカへの従属を「同盟」と呼び換え、主権の放棄を「安全保障」と言い換えることで、従属状態が常態化し、もはや異常とすら認識されなくなっている。日本の知的従属で分析した通り、日本の知識人・学者・メディアのほとんどがアメリカの学術体系に依存しており、アメリカの覇権を批判する知的基盤が存在しない。
カレル・ヴァン・ウォルフレンは『日本 権力構造の謎』において、日本の政治システムが「説明責任の中心」を持たない構造であることを指摘した。誰も責任を取らず、誰も決定を下さず、システムが惰性で動き続ける。国民がこのシステムに疑問を抱かないのは、メディアがその機能を果たしていないからである。
メディアの腐敗と世論操作
日本のメディアは、自民党の極左的政策を「保守政治」として報道し、国民の認知を歪める機能を果たしている。
構造的腐敗:記者クラブ制度
記者クラブ制度は、日本のメディアが権力と癒着する構造的基盤である。政府機関・政党・企業の記者クラブに所属する大手メディアだけが情報へのアクセスを許され、フリーランスの記者や外国メディアは排除される。この制度により、大手メディアは政府の広報機関として機能し、批判的報道を行うインセンティブを失っている。
アメリカとの連動
反日メディアとアメリカの影響で詳述した通り、日本のメディアはCIAの工作ネットワークと歴史的に結びついている。読売新聞・日本テレビの創設者である正力松太郎がCIAのエージェント(コードネーム「PODAM」)であった事実は、日本メディアの構造的従属を象徴している。
現在の日本メディアは、CIAの直接的な指揮下にはないかもしれない。しかし、占領期とその後のCIA工作によって確立された自主検閲の構造は、外部からの強制がなくとも自己再生産している。アメリカの利益に反する報道は避け、自民党政権の対米従属を「日米同盟」として肯定的に報道し、移民政策の本質を問わず、中国脅威論を煽る。日本のメディアは、アメリカの覇権秩序を維持するための文化的プロパガンダ装置として機能している。
意識高い系メディアの役割
意識高い系メディアは、伝統的なマスメディアとは異なる形で、新自由主義の世界観を国民に浸透させる役割を担っている。NewsPicks、PIVOT、ReHacQといったメディアは、「日本は遅れている」「変わらなければならない」という恐怖を煽り、規制緩和、民営化、グローバル化を「改革」として処方する。視聴者は「学んでいる」と錯覚しながら、実際にはアメリカの覇権秩序に奉仕する世界観を注入されているに過ぎない。
報じないもの
日本のメディアの腐敗は、報じる内容よりも報じない内容に最もよく表れている。
- 年次改革要望書: アメリカが日本に突きつけた改革要求リストの存在は、ほとんど報道されなかった
- CIAと自民党の関係: CIAが自民党に秘密資金を提供していた事実は、日本の主要メディアではほとんど取り上げられない
- 在日アメリカ軍の犯罪: 米軍関係者による犯罪は矮小化して報道され、日米地位協定の不平等性は本質的に問われない
- 移民政策の全体像: 個別の事件(技能実習生の失踪、犯罪)は報道されるが、移民政策の構造的問題(人口侵略、低賃金移民政策)は分析されない
- スマートシュリンクという代替案: 移民に頼らない人口減少対応策の存在は、メディア空間からほぼ完全に排除されている
メディアが報じないことによって、国民は現状に疑問を抱く情報すら得られない。情報の不在こそが、最も効果的なプロパガンダである。
リアリズムの観点からの分析
リアリズムの観点から見れば、日本の政治の異常性は、覇権国による従属国の統治構造の完成形として理解される。
ハンス・モーゲンソーが『国際政治』で分析したように、帝国主義の最も洗練された形態は、軍事的征服ではなく、文化的帝国主義である。被支配民族に支配国の価値観を内面化させ、被支配民族自身が自発的に従属を選択するように仕向ける。これがまさに日本で起きていることにほかならない。
日本の政治家は、アメリカの命令を命令として認識していない。「日米同盟の深化」を自発的に追求し、「構造改革」を自発的に断行し、「自由で開かれたインド太平洋」を自発的に推進している。自発的に従属する被支配者ほど、覇権国にとって都合のよい存在はない。
ケネス・ウォルツの構造的リアリズムは、国際システムにおいて大国が小国の行動を構造的に制約することを説明する。日本は、東アジアにおけるアメリカの覇権構造の中に組み込まれ、自律的な行動をとる能力を構造的に奪われている。自民党の政策が極左的であるのは、自民党が左翼だからではなく、アメリカの命令を実行する以外の選択肢を持たないからである。
この構造から脱却するためには、米軍撤退、偽日本国憲法の廃止と民族主義憲法の制定、そして日米安保体制の解消が不可欠である。これらなしに日本の政治の「正常化」はあり得ない。
結論
日本の政治の異常性は、個々の政策の問題ではなく、構造的な異常である。
「保守」を自称する政権が極左的な政策を実行し、靖国神社に参拝しながら移民を推進し、東アジアを裏切りながらアメリカに従属し、中国に強く出るだけで「保守」と見なされる。国民はメディアの腐敗によって真実を知らされず、「他に選択肢がない」という理由で構造的異常を再生産し続ける。
この異常の根源は、対米従属という一語に集約される。自民党がアメリカの政治的代理人として創設され、70年以上にわたってその役割を忠実に果たしてきたことが、すべての異常の出発点である。移民政策も、新自由主義的改革も、東アジアの分断も、すべてはアメリカの覇権的利益に奉仕するための政策であり、日本民族の利益とは無関係である。
日本の政治を正常化するためには、根本的な構造変革が必要である。米軍撤退、民族主義憲法の制定、スマートシュリンクに基づく脱移民政策、そしてアメリカの覇権からの独立。これらを同時に追求する政治勢力が生まれない限り、日本の政治の異常は続くだろう。
参考文献
- 『国際政治:権力と平和』、ハンス・モーゲンソー著: リアリズムの古典的著作。文化的帝国主義の分析
- 『国際政治の理論』、ケネス・ウォルツ著: 構造的リアリズムの基礎文献
- 『大国政治の悲劇』、ジョン・ミアシャイマー著: 攻撃的リアリズムと大国間の権力競争の分析
- 『拒否できない日本』、関岡英之著: 年次改革要望書による日本の政策決定の実態
- 『日本 権力構造の謎』、カレル・ヴァン・ウォルフレン著: 日本の政治システムの構造的分析
- 『閉された言語空間』、江藤淳著: 占領期の言論統制の分析
- 『CIA秘録』(Legacy of Ashes)、ティム・ワイナー著: CIAと自民党の関係
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- 意識高い系メディア: 新自由主義プロパガンダの文化的装置
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- スマートシュリンク: 移民に頼らない人口減少対応策
- 米軍撤退: 日本の政治的自立の前提条件
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- 高市早苗: ネオコン的対中強硬路線の代表
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