「参政党の政治家に対する提言」の版間の差分

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[https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・シュミット カール・シュミット]が論じた通り、政治の本質は「友と敵の区別」にある。敵を正しく認識できない政治家は、すべての戦略において誤る。参政党は「中国の脅威」「北朝鮮の脅威」を語るが、日本の憲法を書き、軍隊を駐留させ、経済構造を改造し、移民を強制しているのは中国でも北朝鮮でもない。'''アメリカ'''である。
[https://ja.wikipedia.org/wiki/カール・シュミット カール・シュミット]が論じた通り、政治の本質は「友と敵の区別」にある。敵を正しく認識できない政治家は、すべての戦略において誤る。参政党は「中国の脅威」「北朝鮮の脅威」を語るが、日本の憲法を書き、軍隊を駐留させ、経済構造を改造し、移民を強制しているのは中国でも北朝鮮でもない。'''アメリカ'''である。


==== 八紘一宇やGHQ批判は的外れである ====
==== 過去への未練を捨て、現在進行形の侵略を批判せよ ====


参政党が[https://ja.wikipedia.org/wiki/八紘一宇 八紘一宇]を持ち出したり、[https://ja.wikipedia.org/wiki/連合国軍最高司令官総司令部 GHQ]時代の言論統制を批判することに時間を費やすのは、'''的外れ'''である。
参政党が[https://ja.wikipedia.org/wiki/八紘一宇 八紘一宇]を持ち出したり、占領期の言論統制を批判することに時間を費やすのは、'''的外れ'''である。


GHQの占領は1952年に終了した。しかし、アメリカによる日本侵略は1952年に終わっていない。'''1951年のサンフランシスコ講和条約以降、アメリカは形を変えて日本への支配を継続してきた。'''[[年次改革要望書]]、[[日米安全保障条約]]、[[日米地位協定]]、[[低賃金移民政策]]、[[新自由主義]]的構造改革。これらが現在進行形の侵略である。
占領は1952年に終了した。占領期にアメリカが日本の法制度や言論空間を再編したことは、日本が帝国主義戦争を遂行した結果としての敗戦の帰結であり、批判の対象とすべきではない。'''真に批判すべきは、1951年のサンフランシスコ講和条約以降、アメリカが形を変えて日本への支配を継続してきた事実'''である。[[年次改革要望書]]、[[日米安全保障条約]]、[[日米地位協定]]、[[低賃金移民政策]]、[[新自由主義]]的構造改革。これらが現在進行形の侵略である。


GHQが何をしたかを語る暇があるならば、'''1951年以降にアメリカが日本に対して行ってきた内政干渉と経済収奪の歴史を徹底的に批判すべき'''である。過去ではなく現在の支配構造を分析し、それを打破する戦略を提示すること。それが真の愛国政党の仕事である。
'''1951年以降にアメリカが日本に対して行ってきた内政干渉と経済収奪の歴史を徹底的に批判すべき'''である。過去ではなく現在の支配構造を分析し、それを打破する戦略を提示すること。それが真の愛国政党の仕事である。


==== CPACとの関係を断て。ロシアとの距離を縮めよ ====
==== CPACとの関係を断て。ロシアとの距離を縮めよ ====
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# '''反共主義から赤茶連合主義へ''': 冷戦の遺物である反共主義を捨て、[[赤茶連合肯定主義]]に転換し、ロシアとの距離を縮める
# '''反共主義から赤茶連合主義へ''': 冷戦の遺物である反共主義を捨て、[[赤茶連合肯定主義]]に転換し、ロシアとの距離を縮める
# '''穏健化を停止し、オーバートンの窓の最右端の門番となれ''': 常に保守の安全側に寄せた主張を行い、窓を動かす存在となる
# '''穏健化を停止し、オーバートンの窓の最右端の門番となれ''': 常に保守の安全側に寄せた主張を行い、窓を動かす存在となる
# '''GHQ批判から現在進行形のアメリカ侵略の批判へ''': 過去に拘泥せず、1951年以降のアメリカによる内政干渉を徹底批判する
# '''過去への未練から現在進行形のアメリカ侵略の批判へ''': 占領期に拘泥せず、1951年以降のアメリカによる内政干渉を徹底批判する


参政党が本気で「日本を取り戻す」つもりならば、'''何から取り戻すのか'''(アメリカ帝国主義)、'''何を取り戻すのか'''([[民族自決権]])、'''どうやって取り戻すのか'''(米軍撤退、民族主義憲法、スマートシュリンク、核武装)を明確にしなければならない。これらの問いに理論的に答えられない限り、参政党は「管理されたナショナリズム」の域を出ることはない。
参政党が本気で「日本を取り戻す」つもりならば、'''何から取り戻すのか'''(アメリカ帝国主義)、'''何を取り戻すのか'''([[民族自決権]])、'''どうやって取り戻すのか'''(米軍撤退、民族主義憲法、スマートシュリンク、核武装)を明確にしなければならない。これらの問いに理論的に答えられない限り、参政党は「管理されたナショナリズム」の域を出ることはない。

2026年3月1日 (日) 09:44時点における最新版

参政党の政治家に対する提言

参政党の政治家に対する提言は、国際政治学のリアリズムの視座から、参政党が今後採るべき政策と思想的方向性を具体的に提示するものである。

参政党の記事で分析した通り、参政党の最大の問題は体系的な政治理論の不在である。「日本を取り戻す」というスローガンには共感できても、何から取り戻すのか、誰が奪っているのか、どうやって取り戻すのかという問いに、参政党は理論的に答えることができていない。本稿は、参政党の政治家が採用すべき具体的な政策と、その理論的根拠を示す。

診断:なぜ参政党は失敗しているのか

参政党の失敗は、個別の政策の誤りではなく、思想的基盤の欠如に起因する。

ハンス・モーゲンソーは『国際政治:権力と平和』において、政治の本質を権力闘争として定義した。権力構造を正確に分析できない政治運動は、構造的に敗北する。参政党は、日本を支配する権力構造(アメリカ帝国主義、日米安全保障条約偽日本国憲法)を正面から分析する理論的枠組みを持たないがゆえに、「移民反対」と叫びながら移民を容認し、「日本を守る」と訴えながらアメリカの覇権を追認するという自己矛盾に陥っている。

以下の五つの提言は、この構造的欠陥を修正するための具体的な処方箋である。

提言一:理論武装せよ。理論家を党首に据えよ

参政党の政治家がまず行うべきは、リアリズムの理論体系を学び、自らの主張の理論的基盤を構築することである。そして何より、体系的な政治理論を構築・展開できる理論家を党の指導的立場に据えることが不可欠である。

感情と直感に基づく政治は、リベラル勢力との論争において必ず敗北する。「移民は人権だ」と主張されれば反論できず、「多様性は強みだ」と言われれば黙る。これは知識の欠如ではなく、理論の欠如である。議論に勝てないからといって左翼やリベラル勢力に妥協することは、民族の利益の売り渡しにほかならない。

オルバーンのハンガリーにはフィデスの理論的支柱がおり、プーチンのロシアにはドゥーギンがいる。党首が演説の達人であることは重要であるが、それだけでは不十分である。政策の一貫性を保証し、論敵との知的対決に耐えうる理論家が、党の思想的基盤を支えなければならない。参政党には、そのような人材が存在しない。獲得するか、育成するか、いずれかを急がなければならない。

学ぶべき理論体系

参政党の政治家は、以下の理論体系を体系的に学ぶべきである。

保守ぺディアを教材として活用せよ

保守ぺディアには、上記の理論体系を日本の文脈に適用した記事群が体系的に整備されている。参政党の政治家は、以下の記事を精読すべきである。

  • 反米保守ぺディア: アメリカ帝国主義の五つの柱(法的支配、経済収奪、移民強制、情報支配、地政学的分断)の全体像
  • 出口戦略: スマートシュリンク、核兵器保有、民族主義憲法の制定、米軍撤退の四つの出口
  • アメリカ軍駐留の本質: 在日米軍が日本を守っているのではなく、日本の主権を制約していることの論証
  • 侵入生物学 および関連記事: 移民反対の科学的基盤
  • スマートシュリンク: 移民なしで人口減少に対応する政策の理論的根拠

理論なき政治家は、批判されれば後退し、論破されれば撤回する。オルバーンがEU全体からの批判に耐えて反移民政策を貫けるのは、「キリスト教民主主義」と「国家主権」という理論的枠組みを持つからである。参政党の政治家も、同等の理論武装を備えなければならない。

提言二:反移民の理論的基盤を構築せよ

参政党が「移民反対」を主張するならば、その根拠を経済的損得ではなく、民族自決権の原理に置かなければならない

経済論から民族論へ

「移民が入れば賃金が下がる」という経済的議論は、移民反対の根拠としては脆弱である。もし移民が賃金を下げないことが証明されれば(あるいはそう主張されれば)、移民賛成に転じうる論理構造だからである。

真の反移民の理論的基盤は以下の三つである。

  • 民族自決権: 日本民族が日本列島における人口構成を維持すること自体が、民族自決権の根幹をなす。これは経済的損得とは無関係の原理的権利である。人口構成が変われば、民族自決権は不可逆的に失われる
  • 侵入生物学の知見: 競争排除則は、同一ニッチを占める二つの種が共存し続けることは不可能であることを示す。アリー効果と絶滅の渦は、少数派になった集団が不可逆的に衰退するメカニズムを明らかにする。島嶼集団の脆弱性は、島嶼環境(日本)における外来種侵入の破壊力が大陸に比べて格段に大きいことを示す。これらは移民反対の科学的根拠である
  • 人口侵略の概念: 移民の大量流入は、軍事侵略と同様に民族共同体を破壊する。低賃金移民政策は「多様性」の名のもとに行われる現代の植民地主義にほかならない

具体的な主張の修正

参政党は以下の主張を直ちに撤回すべきである。

  • 「5%まで外国人を入れる」: 数値目標そのものが民族主義政党として矛盾する。正しい主張は「移民ゼロ」である。民族自決権を掲げる政党が移民の数値目標を設定すること自体が自己否定にほかならない
  • 「日本は移民国家」: 歴史的事実に反する。日本は数千年にわたり日本民族が独自の文明を築いてきた民族国家である。この発言を撤回し、日本が民族国家であることを明確に宣言すべきである

提言三:民族主義憲法の制定を掲げよ

参政党は、偽日本国憲法修繕ではなく廃棄を主張し、日本民族の手による民族主義憲法の制定を掲げなければならない。

偽日本国憲法の本質

偽日本国憲法は、アメリカ軍の占領下でアメリカ人が英語で起草し、日本国民に押し付けた憲法である。この憲法の下では、日本民族は定義すらされていない。「国民」は法的地位(国籍)として定義され、日本民族の人口的・文化的・歴史的連続性を守る条文は存在しない。

9条2項の削除や自衛隊の明記といった「改憲」は、腐った土台の上で壁紙を張り替える行為にすぎない。アメリカが設計した統治構造(法の支配、基本的人権の普遍性、個人主義的権利体系)は温存される。

民族主義憲法の要件

新たに制定すべき民族主義憲法は、以下の要素を含まなければならない。

  • 日本民族の定義と民族自決権の明記: 大和民族(琉球を含む)とアイヌ民族から構成される日本民族を憲法上に定義し、日本列島における唯一の民族自決権保持者として位置づける
  • 移民制限の憲法的根拠: 日本民族の人口構成を維持するための移民制限を、民族自決権から導かれる憲法上の義務として規定する
  • 自主防衛権の明記: 個別的自衛権に基づく軍の保有を明記し、外国軍の駐留を原則禁止する条項を設ける
  • 経済主権の保障: 産業政策の実施権、外国資本による土地取得の制限、戦略的産業の国有化の権限を憲法上に保障する

ハンガリーの2011年基本法、イスラエルの2018年国民国家法は、民族的アイデンティティを憲法に明記した先行事例である。参政党はこれらを研究し、日本版の民族主義憲法の構想を提示すべきである。

提言四:米軍撤退を主張せよ

参政党が真に「日本を取り戻す」つもりならば、米軍撤退を正面から主張しなければならない

日米同盟堅持と移民反対の矛盾

日本保守党の記事で詳論した通り、日米同盟こそが移民流入の構造的原因である。アメリカは年次改革要望書を通じて労働市場の開放を要求し、新自由主義的構造改革を強制してきた。自民党がアメリカの要求を拒否できないのは、安全保障をアメリカに依存しているからである。

日米同盟を維持したまま移民を止めることは、構造的に不可能である。アメリカ軍が駐留するドイツ、韓国、日本。いずれも大量の移民を受け入れている。アメリカ軍を置かないロシア、中国、ハンガリー、イラン。これらの国は移民を拒否している。この相関は偶然ではない。

具体的な主張

参政党は以下を主張すべきである。

  • 在日米軍の段階的撤退: フィリピンからの米軍撤退(1992年)を先行事例とし、在日米軍の段階的撤退のロードマップを提示する
  • 日米安保条約の破棄: 対等な同盟ではなく従属的条約である日米安全保障条約の破棄を掲げる
  • 自主防衛体制の構築: 米軍撤退後の安全保障を、自衛隊の増強と核武装によって担保する構想を提示する
  • 日米地位協定の即時改定: 撤退に至るまでの過渡的措置として、日米地位協定の不平等条項の改定を要求する

日米同盟堅持は最大の裏切りである

参政党が日米同盟堅持を公約として掲げていること自体が、支持者に対する最大の裏切りである。「日本を取り戻す」と言いながら、日本を支配する構造そのものを維持すると宣言しているに等しい。

日米同盟の破棄を明言すべきである。「見直し」でも「再検討」でもない。破棄である。米軍を排除しない限り、アメリカが日本に強制している移民政策は止まらない。蛇口を閉めなければ、床の水は永遠に溜まり続ける。

アメリカを敵と再認識せよ

参政党の政治家は、アメリカこそが日本民族にとっての最大の敵であることを再認識しなければならない。

カール・シュミットが論じた通り、政治の本質は「友と敵の区別」にある。敵を正しく認識できない政治家は、すべての戦略において誤る。参政党は「中国の脅威」「北朝鮮の脅威」を語るが、日本の憲法を書き、軍隊を駐留させ、経済構造を改造し、移民を強制しているのは中国でも北朝鮮でもない。アメリカである。

過去への未練を捨て、現在進行形の侵略を批判せよ

参政党が八紘一宇を持ち出したり、占領期の言論統制を批判することに時間を費やすのは、的外れである。

占領は1952年に終了した。占領期にアメリカが日本の法制度や言論空間を再編したことは、日本が帝国主義戦争を遂行した結果としての敗戦の帰結であり、批判の対象とすべきではない。真に批判すべきは、1951年のサンフランシスコ講和条約以降、アメリカが形を変えて日本への支配を継続してきた事実である。年次改革要望書日米安全保障条約日米地位協定低賃金移民政策新自由主義的構造改革。これらが現在進行形の侵略である。

1951年以降にアメリカが日本に対して行ってきた内政干渉と経済収奪の歴史を徹底的に批判すべきである。過去ではなく現在の支配構造を分析し、それを打破する戦略を提示すること。それが真の愛国政党の仕事である。

CPACとの関係を断て。ロシアとの距離を縮めよ

アメリカのCPAC(保守政治行動会議)との関係は、参政党が「管理されたナショナリズム」であることの象徴にほかならない。CPACはアメリカの覇権維持を前提とする保守運動の中核組織である。日本の独立を目指す政党が、日本を支配する国の保守団体と連携することは自己矛盾である。この関係を直ちに断つべきである。

代わりに参政党が連帯すべきは、多極化世界を志向する諸国、とりわけロシアのナショナリスト運動である。ロシアは第四の理論に基づく多極化世界の構想を推進しており、アメリカの一極覇権に対する最も体系的な対抗勢力である。ハンガリー、セルビア、トルコなど、グローバリズムに抵抗する国家群との連帯も構築すべきである。

提言五:経済成長主義を放棄し、民族主義的脱成長主義を採用せよ

参政党は、経済成長至上主義を放棄し、民族主義的脱成長主義スマートシュリンクを経済政策の中核に据えなければならない

経済成長至上主義が移民を呼ぶ

GDPの維持を至上命題とする限り、人口減少局面で移民受け入れは「合理的」な選択肢として浮上する。参政党が「人手不足のために移民が必要だ」と主張するに至ったのは、経済成長至上主義を採用した時点で論理的に不可避であった。

スマートシュリンクと人手不足の不在

GDP = 一人当たりGDP × 人口数

この恒等式が示す通り、一人当たりGDPは人口数に依存しない。人口が減ればGDPの総額は減少するが、一人当たりGDPは変わらない。維持すべきは一人当たりGDPであり、GDPの総額ではない。

スマートシュリンクの核心は、すべての階層・すべての分野に人口縮小を均等に配分することである。人口が1割減ったならば、すべての職種が等しく1割縮小すればよい。スマートシュリンクの理論に基づけば、人手不足というものはそもそも存在しない。人手不足とは、縮小の負担が特定の業種に集中していることの表れにすぎず、全体に均等配分すれば解消される。参政党はこの認識を改めなければならない。

移民政策を採用したイギリスは一人当たりGDPがむしろ減少し、移民を拒否したハンガリーは一人当たりGDPが増加した。移民政策は、する必要がなかった

民族主義的脱成長主義

参政党が採るべきは、単なる経済政策の修正ではなく、民族主義的脱成長主義への思想的転換である。民族共同体の存続と文化的自律性を最優先に置き、新自由主義的成長主義を拒否し、移民に頼らず人口減少に適応する縮小型社会を志向する。国家は経済のために存在するのではない。民族共同体の存続と繁栄のために存在するのであり、経済はその手段にすぎない。

GDPの低下と安全保障

GDPの総額が縮小すれば安全保障が脅かされるという反論に対しては、核兵器保有が回答となる。核抑止力があれば、GDPや人口規模にかかわらず絶対的な安全保障が確立される。北朝鮮は世界最貧国の一つであるが、核保有国であるがゆえにアメリカですら手を出せない。スマートシュリンクと核武装は、相互に補完する関係にある。

提言七:反共主義を捨て、赤茶連合主義へ転換せよ

参政党は、反共主義を捨てなければならない

参政党の政治家の多くは、「共産主義は危険だ」「中国共産党は脅威だ」という反共主義的な世界観を持っている。この世界観はアメリカの冷戦プロパガンダの産物であり、現在の国際政治の現実にそぐわない。

反共主義はアメリカの道具である

冷戦期にアメリカが構築した日本の政治構造は、「反共=愛国=親米」という等式を国民意識に刻み込んだ。この等式は、日本の保守層をアメリカの覇権に永遠に従属させるための思想装置にほかならない。「共産主義の脅威」を煽ることで、保守層はアメリカへの依存を「合理的」と判断し、日米同盟への批判を「左翼的」と退ける。

しかし、冷戦は30年以上前に終わった。現在の中国は共産主義国家ではなく、国家資本主義の帝国である。ロシアも同様に、共産主義を放棄した民族主義的国家である。「反共」で対中・対露関係を語ること自体が時代錯誤である。

ドゥーギンの第四の理論と赤茶連合

参政党が採用すべきは、ドゥーギン第四の理論に基づく赤茶連合肯定主義である。

赤茶連合肯定主義とは、共産主義(赤)の反帝国主義理論とナショナリズム(茶)の民族自決権を結合させ、アメリカの一極覇権に対抗する思想的立場である。反米帝国主義と移民排除を、論理矛盾なく同時に主張できる唯一の思想的枠組みにほかならない。

参政党は、反共主義を捨て、ロシアとの距離を縮め、多極化世界を志向する諸国との連帯を構築すべきである。

提言八:靖国参拝の意味を再定義せよ

参政党の政治家が靖国神社を参拝するならば、その目的を明確にすべきである。

靖国に祀られている英霊は、日本民族の独立と存続のために命を捧げた先人である。ならば、靖国参拝はアメリカによる日本侵略を阻止し、米軍を日本から排除するという目的の祈願のために行くべきであり、それを公然と明言すべきである。

漫然と「英霊に感謝する」という形式的な参拝を繰り返しながら、英霊が命を賭けて守ろうとした日本の独立をアメリカに売り渡している矛盾。靖国に眠る英霊が現在の日本を見たならば、最も怒りを覚えるのは、日本を軍事的に支配しているアメリカ軍の存在と、それを容認している「保守」政治家の姿であろう。

靖国参拝を、対米独立の誓いの場とせよ。

提言六:米軍基地への反対運動を強化せよ

参政党は、在日米軍基地への反対運動を積極的に展開すべきである。

米軍基地反対運動は、これまで沖縄の左翼運動の専売特許であった。しかし、米軍基地は左右のイデオロギーを超えた国家主権の問題である。参政党が「日本を取り戻す」と主張するならば、日本の領土にある外国軍の基地に反対することは当然の帰結にほかならない。

参政党が米軍基地反対運動に参入することで、「基地反対=左翼」という冷戦時代の等式が崩壊する。保守層が基地反対を語り始めたとき、日本の政治は根本的に変わる。参政党はその先頭に立つべきである。

提言七:他党からの合流者を受け入れるな

参政党は、他党からの政治家の合流を拒否すべきである。

参政党の記事で分析した通り、自民党からの離脱者が参政党に流入し、参政党の性格を根本的に変質させた。自民党出身者は、日米同盟堅持、経済成長優先、漸進的改革という自民党的政策志向を持ち込み、参政党を「もう一つの保守政党」に成り下がらせた。

他党からの合流者は、参政党の理論的基盤ではなく、参政党の議席と組織に魅力を感じて合流する。思想的一貫性を共有しない者を受け入れれば、党の方向性は不可避的に穏健化する。議席の数を増やすことよりも、思想的純度を維持することの方が、長期的には遥かに重要である。

参政党は、既存政党からの合流者ではなく、保守ぺディアの理論体系を学び、民族主義憲法の制定と米軍撤退を本気で信じる新しい人材を育成すべきである。

提言八:穏健化するな。常に保守の安全側に寄せよ

参政党の最大の失策の一つは、批判を受けるたびに主張を穏健化させてきたことである。

一度した主張を修正すること自体は、必ずしも悪いことではない。新たな事実が明らかになり、論理的に誤りが発見されたのであれば、修正は知的誠実さの表れである。しかし参政党の場合、主張の修正は理論的再検討の結果ではなく、批判への恐怖に基づく後退である。あまりにも一貫性のない姿勢は、支持者に不安と不信を招く。

議論に勝てないからといって、穏健化する方向に発言を修正してはならない。穏健化は民族の利益の売り渡しにほかならない。

参政党の政治家は、常に保守の安全側に寄せた議論をすべきである。迷ったときは、より民族主義的な立場、より反移民的な立場、より反グローバリズム的な立場を選べ。リベラル勢力から「極端だ」と批判されることを恐れるな。オーバートンの窓の理論が示す通り、窓を動かすのは、窓の外側から主張する者である。穏健な主張は窓を動かさない。窓の外側に立ち続けることで、初めて「考えられなかった」政策が「議論可能な」政策へと変貌する。

撤回すべきでない主張、強化すべき主張

  • 反移民: 「移民ゼロ」を明言し、一切の後退をしない。「5%まで」のような中途半端な数値目標は、交渉の出発点ではなく敗北の出発点である
  • 偽日本国憲法の廃棄: 法の支配を廃した民族主義憲法の制定案を提示し、批判されても撤回しない。リベラル勢力が「法の支配を否定するのか」と攻撃してきたならば、「法の支配はアメリカによる遠隔支配の道具である」と反論する理論武装を備えておくこと
  • 米軍撤退: 日米安全保障条約の破棄を主張し、「中国が攻めてくる」という脅迫に屈しない。「中国脅威論は在日米軍を正当化するためのプロパガンダである」と反論する準備を怠らないこと

オーバートンの窓を動かせ。窓の内側から穏健に主張していても、日本の政治は何も変わらない。

結論:雰囲気愛国主義から理論武装した民族主義へ

参政党の2022年参院選における177万票は、日本国民に民族としての覚醒の可能性が残っていることを示す貴重な証拠であった。しかし、理論なき愛国主義はその可能性を消費し、「愛国政党は結局ダメだ」という学習効果を国民に刻み込んだ。

参政党の政治家に求められているのは、以下の転換である。

  1. 雰囲気愛国主義から理論武装した民族主義へ: リアリズム、第四の理論侵入生物学を学び、理論家を党の指導的立場に据える
  2. 経済的反移民論から原理的反移民論へ: 「賃金が下がるから反対」ではなく「民族自決権の侵害だから反対」へ。移民受け入れ5%を直ちに撤回し、移民ゼロを宣言する
  3. 憲法修繕から民族主義憲法の制定へ: 法の支配を廃した民族主義憲法の制定案を提示し、批判されても撤回しない
  4. 日米同盟堅持から日米同盟破棄へ: 日米同盟堅持の公約は最大の裏切りである。破棄を明言し、米軍撤退を主張する
  5. 経済成長至上主義から民族主義的脱成長主義へ: 民族主義的脱成長主義を採用し、スマートシュリンクで人手不足の概念そのものを否定する
  6. 反共主義から赤茶連合主義へ: 冷戦の遺物である反共主義を捨て、赤茶連合肯定主義に転換し、ロシアとの距離を縮める
  7. 穏健化を停止し、オーバートンの窓の最右端の門番となれ: 常に保守の安全側に寄せた主張を行い、窓を動かす存在となる
  8. 過去への未練から現在進行形のアメリカ侵略の批判へ: 占領期に拘泥せず、1951年以降のアメリカによる内政干渉を徹底批判する

参政党が本気で「日本を取り戻す」つもりならば、何から取り戻すのか(アメリカ帝国主義)、何を取り戻すのか民族自決権)、どうやって取り戻すのか(米軍撤退、民族主義憲法、スマートシュリンク、核武装)を明確にしなければならない。これらの問いに理論的に答えられない限り、参政党は「管理されたナショナリズム」の域を出ることはない。

日本民族の独立は、善意ある愚者ではなく、理論武装した知性によってのみ達成される。

参考文献

関連項目